第二のわが家 ギリさん「かぞく食堂」再開

みんなの居場所として〝第二のわが家〟になれれば――。和歌山市のインド式ヨガ講師、ギリ・ガネーシュさん(50)は、手作り料理を一緒に味わう「自然かぞく食堂」を3年5カ月ぶりに市内で再開。子どもから高齢者まで、幅広い世代が集い、旬の野菜をたっぷり使った温かい家庭料理を味わった。 ギリさんは「テレビを見ず、携帯電話を触らずに人と会話をしながら食べることで、心のつながりを感じられる場所を多くの人に届けたい」と話している。

インド出身のギリさんは、日本のコミュニケーション不足を何とかしようと「自然かぞく食堂」を企画。親子だけでなく、1人でも気軽に足を運べ、幅広い世代の人が集って家族のようにみんなで一緒に温かい家庭料理を味わってほしいと、「こども食堂」ではなく「かぞく食堂」と名付けた。

開催日を月曜に決めたのにも、週末は家族で過ごし、忙しい週の始まりに、料理を作らずにゆったりと会話を楽しんでもらいたいとのギリさんの願いが込められている。

以前は河北コミュニティセンター(同市市小路)で、3カ月に1度のペースで7年間継続して開催。コロナ禍で中止を余儀なくされてきたが、22日には「自然かぞく食堂@お寺」と題し、初めて同市金龍寺丁の一乗寺で実施した。

この日は、ギリさんの思いに賛同したボランティアメンバー約20人が協力し、約200食を用意。添加物や加工品、動物油を使わず作った、ギリさん特製の「野菜・豆カレー」やサラダ、スパイスの風味豊かなインド発祥のミルクティー「チャイ」の他、デザートにはナッツ入りライスプリン「キール」が提供された。

岩出市から1人で訪れた40代の女性は「スパイスが利いていて、あっさりとおいしい。豆も入っていて体に良さそう」とにっこり。子ども連れの家族も多く集まり、初めての本格的なインドの家庭料理に子どもたちも「おいしい」と笑顔で味わっていた。

手伝っていたギリさんの長男、路範(ろはん)さん(15)は「学校だけでは出会えないようないろんな世代の人と話ができ、本当に〝第二のわが家〟だなと思った」と久しぶりの再開を喜んだ。

 

特製精進カレーを煮込むギリさん

 

手作り料理を味わう子どもたち

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