迅速な停電復旧へ 関西電力送配電が訓練

本格的な台風シーズンを前に関西電力送配電㈱和歌山支社(和歌山市岡山丁)は21日、琴の浦訓練場(同市毛見)で災害復旧訓練を実施し、有事におけるスムーズな連携と迅速な対応を再確認した。

同支社では毎年、6月と12月に同訓練を実施している他、2019年からは前年の台風21号で配電設備が甚大な被害を受け、広範囲かつ長時間にわたって停電が発生したことを教訓として、他部門の社員らによる配電部門への応援訓練も行っている。

応援訓練は20日に行われ、保全部門以外の18人が参加。高圧発電機車の点検や給油方法といった運転監視業務の訓練を行ったという。

この日の災害復旧訓練には、和歌山配電営業所の作業員6人が参加し、台風による強風で高圧線が断線したという想定のもと、電柱8本の中から停電事故箇所を探査した。

また、停電区間の先に病院があると想定し、まずは優先的に発電機車を使って病院に応急送電した後、復旧作業に努めるなど、連携の取れた作業運びで円滑に訓練を進めていった。

参加者の一人で、紀美野町と有田川町で今月、実際に台風2号に伴う豪雨被害の復旧作業にあたったという同営業所の金堀皓貴(ひろき)さん(32)は「和歌山は山間部が多く、どうしても停電が発生しやすい地域。今後も日々の訓練を生かし、できるだけ早く送電できるよう努めていきたい」と意気込んだ。

同営業所の高尾博紀係長(50)は「すでに今月は大雨が発生しているが、今後夏季に入ると大雨や雷、台風などの突発的な停電が予想されるので、訓練をしておくことで少しでも早い停電復旧に努めたい」と話した。

同営業所の作業メンバーは11月、大阪府で開かれる「全社技能発表会」に同支社を代表して出場することが決まっており、復旧作業の正確性や迅速性を競う同発表会で日頃の訓練の成果を発揮する。

 

正確かつ迅速に作業を進める作業員たち

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