高齢運転者の事故ゼロへ 交通安全の講習会

高齢者が加害者となる交通事故を防ごうと、海草振興局地域振興部は27日、ドライビング・スクールかいなん(海南市且来)で交通安全講習会を開いた。

海南警察署や同スクールなどの協力のもと、2016年度から年4回実施され、延べ354人が受講している。

今回は67~87歳の海南市老人クラブ連合会のメンバー10人が参加。視力検査をした他、教習コースでの運転技能検査などを行った。

視力検査では、暗い中から浮かび上がる記号の1カ所が欠けている部分を選択する夜間視力や視野角度などを測定。武田雅治さん(83)は、暗い所に入って視界が回復する時間が遅いことを自覚しているといい、「トンネルに入ったとき、もし障害物があっても分からないからスピードを落とす。雨降りの夜は運転しないと決めている」と話した。

教習所内を運転する技能検査では、同スクールの指導員と海南署員が同乗し、教習所のコースを走行した。

段差路での発進チェックでは、指導員から、段差で一旦止まり、乗り上げてからすぐにブレーキを踏み込むという指示があり、アクセルとブレーキの踏み間違いがないかを確認。

一時停止の標識や左折での目視を見落とすドライバーもおり、指導員から「ここに標識がありますよ」などと指摘を受けながら、安全運転を再確認した。他にも、横断歩道での停止やS字カーブ走行などを行った。

普段は軽トラックに乗るという森本次一さん(87)は、指導員から「今までより見える範囲が狭くなってきているから、標識を早めに見ないと視界から外れてしまう。見上げて確認するなど意識してもらえたら」とアドバイスを受けた。森本さんは「その一手間が安全につながる。気持ちを新たにできた。良い勉強になった」と話した。

 

教習コースで運転技能を確認する参加者

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