児童虐待相談初の2000件超 7年連続で増加

 

2022年度に和歌山県内2カ所の児童相談所に寄せられた児童虐待相談は、7年連続増加の2066件(前年度比274件増)で、初めて2000件を超えたことが県のまとめで分かった。県内市町村への相談も前年度を上回る2042件(同167件増)だった。虐待の疑いがあれば早期に対応するとの認識が高まっていることが背景にあるとみられている。

児童相談所が対応した相談を虐待の種類別に見ると、言葉による脅しや子どもの面前での家族への暴力(面前DV)などの「心理的虐待」が最多の1175件(56・9%、前年度比230件増)。次いで、殴る蹴るなどの暴力を振るう「身体的虐待」が438件(21・2%、同36件減)、食事を与えない、ひどく不潔にする、重い病気になっても病院に連れて行かないなどの「ネグレクト」が426件(20・6%、同80件増)、「性的虐待」が27件(1・3%、同増減なし)だった。

心理的虐待の割合が依然として高いのは、子どもが同居する家庭内のDVが警察から通告されるケースが多いことが要因とみられている。ネグレクトは16年度は2番目に多かったが、17年度以降は6年連続で身体的虐待の方が多くなっている。

虐待者の内訳は、子どもと過ごす時間が長い実母が最も多い傾向が続いており、1051件(50・9%)。次いで実父が831件(40・2%)、実父以外の父親が78件(3・8%)、実母以外の母親が6件(0・3%)、その他が100件(4・8%)となっている。

虐待を受けた子どもの年齢構成は、小学生が650件(31・5%)で最多。次いで3歳~学齢前が482件(23・3%)、中学生が380件(18・4%)、0~3歳未満が337件(16・3%)、高校生・その他が217件(10・5%)だった。

相談の経路は、警察等が768件で最も多く、市町村が383件、都道府県が238件、近隣・知人が202件、学校等が183件、家族が130件と続いている。

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