身近に潜む闇バイト 県警が近大で防止啓発

SNSなどで特殊詐欺や強盗事件の実行犯を募る「闇バイト」による犯罪が全国で発生していることを受け、犯罪加担や被害を防ごうと県警は6月29日、和歌山県紀の川市西三谷の近畿大学和歌山キャンパスで講座を開いた。

生物理工学部の学生約70人が受講。「ダメ!闇バイト~自分を見失うな~」をテーマに、県警本部生活安全企画課犯罪抑止総合対策室の橋本敦彦警部補が特殊詐欺と闇バイトに関する基礎知識や実態、撲滅に必要なことなどを紹介した。

2月に県警特殊詐欺被害防止広報大使に任命された5人組ロックバンド「キュウソネコカミ」を起用した動画を放映。バンドメンバーが、知らない番号からの電話に出ないことなど特殊詐欺被害防止のポイントなどを呼びかけ、「電話でお金の話が出たら、県警の特殊詐欺被害防止専用フリーダイヤル、0120・508・878(これはわなや)に電話するように」などと注意喚起した。

また、県警職員とOBが制作、出演している闇バイトに手を染めた人の末路をドラマ仕立てで描いた「特殊詐欺ぶっとばす!~自分を見失うな~編」を流し、危険性を伝えた。

動画では、アルバイトを探している男性が簡単で高額な仕事と書かれた情報を見つけ連絡。仕事内容を聞くと「荷物を受け取り、指示された場所へ持っていくだけ。簡単でみんなやっている」と言われ、試しにやってみようと始めたところ、詐欺罪で逮捕され10年以下の懲役になった姿が描かれている。

最後に「キュウソネコカミ」は「お金がないとか仕事がないとか、辛いこと、苦しいこといろいろうまくいかなくても犯罪者になることだけはやめましょう」とメッセージ。橋本警部補は「闇バイトは一度関わると抜けられない。詐欺だけでなく強盗の罪や、被害者への損害賠償も負うことになる。絶対に手を出さないで」と強く訴えた。

講座を受けた能登原生将(たかまさ)さん(19)は「最近ニュースでよく見るが、身近にあることなんだと思い、気をつけないといけないと思った」と話した。

同課では、若者を狙った特殊詐欺が県内で増加していることから、今後も撲滅に向けた活動を拡大していく。

動画は、県警公式のユー・チューブチャンネルで視聴可能。

真剣に話を聞く学生ら

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