科学への興味高めて 向陽高が放射光施設見学

科学に対する興味・関心を高めようと、和歌山県立向陽高校(和歌山市太田、松本泰幸校長)の1年生319人がこのほど、兵庫県の大型放射光施設「SPring‐8」を訪問し、放射光X線がバッテリーやシャンプーといった身近な物の研究にも役立っていることなどを学んだ。

同校は4月、文部科学省から4期目となる「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」の指定を受け、科学分野を中心にさまざまな取り組みをしている。

その一環として今回、太陽の100億倍もの明るさに達する「放射光」という光を使い、物質の原子・分子レベルでの形や機能を調べることができる同研究施設を訪問。

施設全体の概要説明を受けた後、生徒らは電子を加速させて曲げる過程で発生するX線を使うと、化学反応の状態や過程、物質の含有元素分布、物質表面の構造や状態を知ることができると学んだ。

また、「ビームライン」と呼ばれる研究装置の見学や、スーパーボールを使った簡易実験を通して、科学者の思考や研究の本質にもふれた。

同校の教諭で、SSH推進部の谷地祐介部長(34)は「主体性や科学コミュニケーション力を育成し、理系の道に進んでいってもらえればうれしい」と期待。

生徒からは「科学に対する興味や関心が大きくなった」「これからもっと自分が知りたいことを追求していきたいと思った」などの声が聞かれ、女子生徒の1人は「研究者と聞くと男性のイメージがあって少しためらっているところがあったけど、SPring‐8には女性の研究員さんもいて、将来の夢の選択肢が広がった」と話していた。

 

研究員の説明を真剣に聞く生徒たち(向陽高校提供)

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