命を守る知恵学ぶ 南野上小で防災キャンプ

和歌山県海南市南市次ケ谷の南野上小学校(松元由里子校長)で8日、「防災キャンプ」が行われ、全校児童14人と保護者が火おこし、炊き出しなど災害が起こったときの対応方法を実習で学んだ。

子どもたちに地域の防災リーダーになってもらおうと、同校が昨年から実施。県キャンプ協会理事で自然環境教育企画南風舎を主宰する林美由貴さんが講師を務めた。

火おこし体験では、枯れ枝やまきの組み方、マッチの火のつけ方を学び、安全に食事を作ることができる大き過ぎない火を保つ方法を習得した。児童らは恐る恐るマッチをすって火をつけ、マッチを使ったことがないという保護者も多く、その様子を心配そうに見守った。

続いて行われた炊き出し体験では、「お湯ぽちゃご飯」作りに挑戦。ポリ袋に米と水を入れ、缶詰の焼き鳥、乾燥カットワカメを入れ、沸騰したお湯の中で15分、火を止め10分蒸らした。

グルメを自称し、好きな食べ物は鯨の竜田揚げ、揚げナス、ネギ塩牛タンという5年生の栗本修佑さん(10)は「焼き鳥の風味がご飯になじんでワカメが良いアクセントとなってる。お米を研がずに使っているのが分からないぐらい普段と変わらない」と驚きの様子。

4年生の浦野楓さん(9)は「炊かないでご飯できてびっくりした」、6年生の西中琥珀さん(11)は「もし災害が起こったらみんなのために火をおこし、食事を作ってあげたい」と話した。

息子2人と参加した講師の林さんは「子どもが防災に関心を持ってくれるいい機会になった」と笑顔だった。

午後からは地域住民も参加し、県土砂災害啓発センターの職員による「土砂災害から命を守るために」をテーマにした講演が行われた。

松元校長は「きょう学んだことを家族や地域の人に伝えてほしい」と話し、この後、家族会議を開いてもらい、どこに逃げ、合流するかなどをまとめるレポートを夏休みの宿題にするという。

協力して火おこしを体験

協力して火おこしを体験

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