藍染めと左官 児童たちが職人の技を体験

和歌山市内4校の児童が18日、県立近代美術館(同市吹上)エントランスで、日本伝統の藍染めと左官を体験した。和歌山青年会議所(和歌山JC、西村和将理事長)が主催。子どもたちに日本の伝統である藍染めを知ってもらい、交流を深め笑顔を増やしたいと企画した。

同会議所交流委員会の大西清悟委員長(37)が中心となり、同会議所メンバーや職人らで構成されるクラフトマン、市民ボランティアら計150人と、課外授業の一環として、和歌山大学付属、伏虎義務教育学校、高松、砂山小学校児童ら約600人が参加。藍染めと左官、美術鑑賞を楽しんだ。

午前は高松小学校の約170人と伏虎義務教育学校の約170人が参加。リユースを目的としていることから、着なくなったTシャツや靴下、タオルなどを持参し染めた。

藍と左官を融合させ、新たな文化として広める日本鏝藍(ばんらん)協会の代表、守谷玲太さんの指導のもと、児童らは輪ゴムで縛ったTシャツを藍液に10秒ほど浸し、染色していった。

藍液は手に付くと1週間ほど色が残るというが、「手に付いてもいい」と、素手で作業する子も多く、青く染まる手を見せ合い、笑顔で作業を進めた。

優しく水分を絞り、ハンガーに掛けて天日干し。世界に一つだけの作品が完成した。高松小5年の山本あかりさんは「思っていたより簡単にできた。スケボーをしているからその時に着たい。学校にも着ていきたい」とにっこり。

左官体験では、石こうに藍を混ぜ、コテを使って6枚のボードに塗っていった。児童らは「くっつかない」「ボロボロ落ちてくる」などと話し、慣れない作業に苦戦しながらも懸命に塗り重ねていった。完成した左官作品は夏休みの期間中、同美術館で展示される。

大西さんは「日本伝統の藍を知ってもらい、体験を通して、親も子どもたちの成長に気付いてもらえたら」、西村理事長(39)は「みんな笑顔だった。いい思い出になればうれしい。人とふれあい、交流の大切さを感じてもらえれば」と話した。

 

染めたTシャツを丁寧に洗い絞る子どもたち

 

藍を混ぜた左官に挑戦

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