夏休みも早寝早起きを 南野上小で地域交流

生活リズムが乱れがちな夏休みを規則正しく過ごしてもらおうと、和歌山県海南市次ケ谷の南野上小学校で26日、「夏休みラジオ体操&踊り&朝ごはん」の取り組みが行われた。

南野上公民館と小学校、亀の川念仏踊り保存会などが主催し、10回目。文部科学省が提唱する「早寝早起き朝ごはん運動」の一環で、同地区の熱心な活動は2014年に同大臣表彰を受けている。

朝7時半に校庭に集まった児童9人と地域や学校の関係者ら11人が参加。ラジオ体操で体をほぐした後、市指定無形民俗文化財の「亀の川念仏踊り」について、保存会から指導を受けた。

踊りは南北朝時代、大阪四条畷の戦いに敗れた楠木正成の家臣が、一族と共にこの地に逃れ住み、戦いの様子を歌と踊りにして伝承したといわれている。先祖の供養と、戦いのない時代が続くように願いを込め、南野上に嫁いだ女性が受け継いできた。練習した踊りは、11月5日に下津交流センターで舞台発表する予定。

5年生の栗本修佑さん(10)は「かっこいい踊りで楽しかった。自分たちが踊る姿を見せて、小さい子たちに受け継いでもらいたい」とにっこり。

踊りを教える海南万葉の会の東道事務局長は「地域の協力がないと踊りは継承できない。踊りを通じて、ふるさとに誇りを持ってもらいたい」と汗を流していた。

練習の終了後、児童は地域の人が作った弁当を受け取り、公民館で食べたり、家に持ち帰ったりした。この活動は夏休みの間、3回行われる。

同小学校の児童は現在14人。地域が協力し合い、子どもを見守る活動やイベントを行っている。

同公民館の山中幸也館長は「さまざまな立場で子どもに関わる大人がたくさんいるのがこの地域の特長。いろんな角度から子どもを見る目は必要。子どもの成長の大きな栄養になってほしい」と話した。

地域の人に教わりながら踊りを練習する児童たち

地域の人に教わりながら踊りを練習する児童たち

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