勇壮華麗な渡御式も 4年ぶり「粉河祭」活気

紀州三大祭の一つ「粉河祭」(粉河祭保存会主催)が7月29、30の両日、和歌山県紀の川市の粉河とんまか通り周辺で4年ぶりに行われ、地域住民や観光客らでにぎわった。本祭の30日には、「渡御式」が7年ぶりに行われ、馬にまたがった稚児や裃(かみしも)姿の古式ゆかしい装束をまとった約400人の行列が練り歩き、地域は活気に包まれた。

粉河寺の鎮守である粉河産土(うぶすな)神社の祭礼。渡御式は、粉河寺の開基とされる大伴孔子古(くしこ)の子、船主(ふなぬし)が奥州討伐に向かい、賊徒を退治して凱旋した時の姿を伝えるとされる。2年に1度行われているが、2018年は台風の接近で中止となったため、16年以来の開催となった。

先導役の先達が行列の先頭を歩き、白馬に乗った一ツ物、神主、武者、神輿(みこし)などが同神社を出発。後部には、だんじり5基が続き、粉河寺の大門の脇を通り、御旅所(粉河小学校の校庭)へ向かった。

沿道では多くの観客がカメラを向け、伯市講の稚児として馬に乗った長田小学校4年生の生地凜久さん(9)は、祖父・父と三代にわたって稚児役を務めることになり「選ばれてうれしかった。最初は馬に乗るのがちょっと怖かったけど、楽しめた」と笑顔。父親の孝好さん(44)から「リラックスして背筋を伸ばし、真っすぐに前を見て」とアドバイスをもらったといい、孝好さんは「伝統のお祭りで、大変光栄なこと。立派に務めてくれました」と話していた。

粉河祭保存会の箕輪光芳会長(72)は「4年ぶりで、何かあったらあかんと心配もあったが、無事にできて良かった。子どもも減り、地元の参加も少なくなっているが、何とか祭りをつないでいきたい」と話していた。

よろい姿の稚児らの行列が練り歩いた

よろい姿の稚児らの行列が練り歩いた

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