マダコたくさん育って 加太にタコつぼ投入

減少しているマダコを増やしたいと、和歌山市加太の加太漁業協同組合はタコが産卵期を迎える9月を前にした7月31日、加太沖に産卵用のタコつぼ約600個を投入した。

加太のマダコは、餌が豊富な友ヶ島周辺海域で育っているため、柔らかく甘みがあるのが特長。加太地区では古くからタコつぼ漁が行われ、今も加太のタコは希少品として人気がある。

加太漁協タコツボ組合の平井昭次会長によると、約20年前と比べ、マダコの漁獲量は10分の1ほどに減ったという。4年前から市の補助金を活用し、産卵生態をもとに開発された産卵用タコつぼを海に放ち、タコを増やす取り組みを行っている。これまで海に投入したタコつぼの半分以上で産卵が確認されている。1㌔の親ダコが産卵する数は10万個といわれ、兵庫県明石市ではこの取り組みを1966年から行っている。

つぼを制作するのは兵庫県南あわじ市の日本リーフ㈱。自然の粘土で作られた素焼きのつぼは、将来的に土となり自然に返る。

平井会長は「たった4年で極端に増えるものではない。10年、20年後を期待している」と話した。

漁師の父を手伝っていた畑中恵多さん(14)は「つぼを海に投げるのは楽しかった。タコがたくさん育ってほしい。地球温暖化が進まないよう、自分たちでもできることをやっていきたい」と笑顔だった。

 

海にタコつぼを投げる漁師ら

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