7年ぶり夏の甲子園へ 市立和歌山が挑む

第105回全国高校野球選手権記念大会

市和歌山 7年ぶりの夢舞台へ

 

甲子園出場を決めた市和歌山の選手ら(県高野連提供)

甲子園出場を決めた市和歌山の選手ら(県高野連提供)

 

市和歌山が、7年ぶり6回目の夏の甲子園への切符を手にした。県大会の決勝では、延長11回の激闘の末、和歌山北を5―4で撃破。6日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する、第105回全国高校野球選手権記念大会に出場する。初戦は大会4日目の第3試合で東京学館新潟(新潟)と戦う。一戦必勝で夢舞台に挑む。

初戦は東京学館新潟

過去の甲子園出場は春8回、夏5回。近年は2019年と22年の春に、ベスト8入りを果たしている。しかし夏は、智弁が5大会連続の選手権大会出場。市和歌山は16年以降、夏の甲子園から遠ざかっていた。

智弁が初戦敗退と、波乱の幕開けを見せた今夏の県大会。市和歌山は接戦をものにし続けた。序盤にリードを許す展開もあったが、終盤の得点力が際立った。決勝では9回表に追い付かれるも、延長11回裏に熊本和真主将がサヨナラ打。「おれが決めなければこの試合は負けてしまうと思った」と、意地の一振りで勝負を決めた。

熊本主将は甲子園に向けて、「一戦一勝の気持ちで、市高らしく泥臭く、全力で戦う」と話し、半田真一監督は、「持てる力を存分に発揮して、自分たちの野球をやっていきたい」と意気込んでいる。

 



役割果たし得点重ねる

打線は試合状況に応じて、各々が役割を果たす。県大会を通して、3番・栗谷星翔が3打点、4番・麹家桜介が2打点、5番・大江陸斗が4打点と、中軸が結果を残してきた。準々決勝の新宮戦では、大江は8回に決勝打となる2点適時打を放つなど、3打点の活躍。半田監督は大江の適時打について、「必ず打つと信じていた。努力はうそをつかないと思った」と振り返った。

9番を担う熊本主将は、決勝戦でサヨナラ打を放つなど、大会を通して5打点。自慢の勝負強さを発揮してきた。

栗谷の登板時に左翼を守る玉置大翔は、犠打やチームバッティングで貢献。準決勝の南陵戦では、自身高校初の本塁打を放つなど、この試合の全3打点を挙げる活躍を見せた。玉置は甲子園へ「ホームランよりも、チームバッティングを心がけたい。2年生だが、3年生を引っ張れる活躍をしたい」と意気込んでいる。

打線は、夏に向けてバントやセーフティスクイズ、進塁打の練習なども徹底してきた。甲子園でも全員が状況に応じた役割を果たし、目の前の得点を冷静にものにしていきたい。

南陵戦で2点本塁打を放った玉置選手

南陵戦で2点本塁打を放った玉置選手

勝負強さが自慢の熊本主将

勝負強さが自慢の熊本主将

 



勝利導く自慢の継投

器用なエース・栗谷星翔と、本格派右腕・小野莞都の継投で、チームを勝利へ導く。栗谷は140㌔に迫る直球と、切れのあるカーブやスライダー、チェンジアップなどを投げ分ける。県大会では、3回戦を除く4試合で先発、全試合で登板し、安定してゲームをつくってきた。栗谷は、勝ち進むに連れて直球が打者の手元で伸びてきたと話し、「甲子園ではコントロールを意識し、しっかり投げ分けられるようにしたい」と意気込んでいる。エースの安定したゲームメイクに期待したい。

小野は肘を手術して入部し、本格的に投げ始めたのはことしの春。今夏に懸けて、人一倍投げ込んできた。県大会では、全5試合で栗谷から継投。最速140㌔を超える直球を軸に変化球も有効に使い、計13回を投げて1失点と奮闘した。劣勢や同点の場面からも投球で流れを引き寄せ、リードを守り抜いてきた。自慢の継投で守備から流れをつくり、味方の得点につなげたい。

安定感抜群のエース・栗谷

安定感抜群のエース・栗谷

本格派右腕・小野

本格派右腕・小野

 



野球部OB会会長  中村 扇一 コメント

7年ぶり6回目の甲子園出場おめでとう。監督や選手の皆さんが大会前から言っていた「自分たちの野球」を最後の最後まで貫き通して勝ち取った甲子園出場だと思います。

しかし、道のりはけわしく、初戦から苦しい戦いばかりで、何度も何度もプレッシャーに押しつぶされそうになり、多くのミスやエラーもありましたが、そのたびに精神力の強さで全員で切り抜けてきました。

また、メンバーに入れなかった選手もスタンドでの元気ハツラツとした応援際立っていました。

さあ、いよいよ夢舞台の甲子園です。冬から苦しい練習に耐えてきた「自分たちの野球」をこの甲子園でも貫き通して、今まで支えていただいた方々に感動と勇気を与えるハツラツとした思い切ったプレーを期待しています。

 

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