序盤の失点、重く 夏の甲子園、市高敗れる

【2回戦】

神村学園 11
市和歌山

〔神〕今村、黒木、松元―品川、松尾大〔市〕川本、木村、小野、栗谷―麹家▽二塁打=秋元、松尾龍(神)大江(市)

第105回全国高校野球選手権記念大会は9日目の14日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦が行われ、第2試合で市和歌山が神村学園(鹿児島)に11―1で敗れた。両チームとも先発投手が乱調で1回途中降板する異例の展開から始まったが、失点は防いだ神村学園に対し、市和歌山は序盤に奪われたリードが重くのしかかり、最後まで攻撃のリズムをつくれなかった。

市和歌山は1回表、甲子園初登板の先発・川本の初球が死球となり、犠打で1死二塁の場面から連続適時打で2点を奪われた。さらに四球などで2死二、三塁のピンチを迎えたところで2番手・木村に継投したが、暴投で3点目を失った。

3回表には3四球で2死満塁となり、押し出しの四球で4点目を献上。木村に代わった3番手・小野も四球で5点目を許し、無安打で2点を追加された。

攻撃では1回裏、神村学園の先発が3四死球と乱調で、2死満塁の好機を迎えたが、継投した2番手に、1回戦で3安打を放った大路が空振り三振を喫した。4回裏には大江のチーム初安打があり、2死二、三塁としたが、小野が空振り三振に打ち取られた。

試合が動いたのは6回裏。先頭の大江が右二塁打、続く大路が四球で出塁すると、1死一、二塁から相手投手の疑投で1死二、三塁となり、小野の右犠飛で1点を返した。

しかし続く7回表の神村学園の攻撃、安打と四死球で1死満塁とされると、小野が犠飛と2連続適時打で4点を失い、2死二塁で4番手として登板したエース栗谷も適時打を浴び、この回に一挙5点を奪われた。

10点差で迎えた市和歌山の9回裏の攻撃、藤井の右方向への痛烈な当たりは一塁手の好守に阻まれ、続く2人も外野への飛球に倒れた。

市和歌山は、1回途中から9回途中まで投げた神村学園の2番手・黒木の前に散発の4安打に抑えられ、反撃の糸口をつかめなかった。

市和歌山の半田真一監督は神村学園について、打線が強力で粘りがあったとし、ことしのチームについて、「主将を中心に最後は力を出してくれた。3年生、よくやった」と話した。

熊本和真主将は、夏の甲子園は迫力があって最高の場所だと振り返り、仲間に対して、「こんなふがいないキャプテンについてきてくれてありがとう」と涙ながらも笑顔だった。

試合を終えて涙を流す市和歌山の選手ら

試合を終えて涙を流す市和歌山の選手ら

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