服のチカラ届けたい 貴志中がユニクロのPJ参加

和歌山市立貴志中学校(同市梅原)は、着なくなった子ども服を集めて難民に届ける衣料品ブランド「ユニクロ」の取り組み「〝届けよう、服のチカラ〟プロジェクト」にことしも参加している。

ユニクロを展開する㈱ファーストリテイリングが2013年、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と共にスタートさせた、小中高校生が対象の参加型学習プログラム。

社員による出張授業を受けた子どもたちが主体となり、校内や地域で着なくなった子ども服を集め、必要な人の元へ届けられる。同校は昨年から取り組んでいる。

同校で7月下旬に開かれた出張授業には、夏休みにもかかわらず、希望した約40人の生徒をはじめ、保護者や教職員が参加。特別講師は、㈱ゴトウ洋服店の営業支援チームマネージャー、上田隆史さんと、同市川辺のユニクロ紀伊川辺店で働く社員の赤井覚士(さとし)さんが務めた。

赤井さんは、「命を守る」「気持ちをあらわす」「つながりをあらわす」などの“服のチカラ”について説明し、生徒と共に「服がなかったらどういう状況なのか」を考える時間を設けた。

また、世界には日本の人口と同程度の1億人以上の難民がいて、その約半数が18歳未満であることを紹介。SDGs(持続可能な開発目標)にふれながら、〝服のチカラ〟を困っている人に届けて再利用するといった同プロジェクトの意義や回収ルールについても説明した。

実際に同プロジェクトで服が届けられるまでの様子を記録した動画も上映。赤井さんは「皆さんもプロジェクトを通して、困っている人たちに夢や希望を届けられます」と協力を呼びかけた。

同校2年の久岡勇飛さん(14)は「難民はいろいろ困っているということが分かったので、できることをしたいと思った」と話した。

同校では9~10月ごろ、厚生委員が中心となってあいさつ運動時に服を集めることにしている。

同委員長で3年の山本陽菜さん(14)は「新1年生や地域の人にも活動を知ってもらって、地域みんなで参加したい」と笑顔。昨年も同委員として参加した経験を振り返り、「自分たちが頑張ったことが、自分たちの知らない国の知らない人に伝わった。これが〝服のチカラ〟かと思った」と話していた。

回収した服は11月末までに同社指定の倉庫へ送り、倉庫で選別や梱包をされ、ことしは4カ国(ウガンダ、チャド、マラウイ、シリア)の難民キャンプなどへ届けられるという。

 

〝服のチカラ〟について話す赤井さん(左奥)

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