待ちわびた阪神優勝 関西経済浮上へ期待

プロ野球の阪神タイガースが2005年以来18年ぶりのセ・リーグ優勝を決め、虎ファンの多い和歌山でも大きな盛り上がりを見せている。関西大学の宮本勝浩名誉教授(和歌山市出身)の試算では、阪神優勝の経済効果は約872億円。祝勝セールを予定している商業施設などもあり、「関西経済の起爆剤に」と期待の声も聞かれる。10月18日から始まる日本シリーズへの進出権を争うクライマックスシリーズのファイナルステージに向けて、さらに熱狂が加速しそうだ。

県内唯一の球団オフィシャルショップ、和歌山市七番丁の阪神タイガースショップ和歌山モンティグレ店は28日から、店舗前に特設会場を設けて優勝記念グッズを販売する予定。選手らがビールかけの際に着用したものと同様の、Tシャツやキャップなども並ぶ。

優勝から一夜明けた15日、半世紀にわたり阪神ファンという村田弘至店長(58)は、「18年は長かった。待ちわびた優勝で感激している」と喜びを隠さない。「大阪に行かなくても優勝グッズを買うことができる。古くからのファンも、これを機にファンになった方も、ぜひ足を運んでほしい」と呼びかけている。

地域経済の活性化にも期待が高まる。和歌山市観光発信人の一人で、家電量販店ジョーシンのCMソング「情熱をなくさないで」を歌う、ウインズ平阪さん(64)は「関西が大いに沸く阪神の優勝。和歌山もこれにぶら下がり、活気を有効活用してみんなで盛り上げていければ」と話していた。

18年ぶりのリーグ優勝を喜ぶ村田店長(15日、阪神タイガースショップ和歌山モンティグレ店)

18年ぶりのリーグ優勝を喜ぶ村田店長(15日、阪神タイガースショップ和歌山モンティグレ店)


阪神がリーグ優勝を決めた14日夜、県内のファンも喜びに沸いた。

和歌山市杉ノ馬場のスポーツバー、スパイクでは、感動の瞬間を見届けようと、20人以上の虎ファンが集結。9回表に一打逆転のピンチをしのいだ瞬間、店内には歓声が響きわたり、涙を流す人もいた。

夜勤明けに徹夜で応援に来たという、同市小松原の医師、松井佑太さん(34)は「感動して、夜勤の疲れも吹き飛んだ。このまま日本一まで突っ走ってほしい」と歓喜。約45年間タイガースを応援しているという、同市西庄の川端優子さん(50)は、「ドキドキしたが決めてくれて、ものすごくうれしい。サトテル(佐藤輝明選手)のホームランに勇気をもらった」と感極まった様子だった。

阪神の優勝が決まり、歓喜に沸くスポーツバー(14日午後8時52分ごろ、和歌山市杉ノ馬場)

阪神の優勝が決まり、歓喜に沸くスポーツバー(14日午後8時52分ごろ、和歌山市杉ノ馬場)

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