わかちか広場でスケボー 体験イベント盛況

気軽にスケートボードを楽しめる場所が欲しい――。ストリートカルチャーとしてのスケボーに理解を広げようと、17日、和歌山市のJR和歌山駅地下、通称わかちか広場で体験イベントが開かれた。スケーターを含む有志らでつくる実行委員会が初めて企画。約200人の親子連れらが参加し、地下広場ににぎやかな声が響いた。

開催のきっかけとなったのは、青少年の立ち直りや自立を支援する和歌山BBS会が2010年から毎月実施している夜回り活動で、若い世代に話を聞いたことだった。

JR和歌山駅前で、スケートボードを手にした同市の東皇佑さん(22)、西地希偉人さん(21)と出会い、スケボーができる場所は限られていること、近くに整備された場所がなく、滑りたくても滑れないといった現状を知ったという。

スケートボードは、東京オリンピックから新競技として採用され、岩出市出身の四十住さくらさんら、日本人選手の活躍などから人気も高まっている。

和歌山市内では雑賀崎にスケートパークが整備されたものの、使用が日中に限られているため、仕事をしていると使いづらいなどの事情もあるという。

もともと、スケボーは路上で楽しめるパフォーマンスとして、ストリートで醸成された歴史がある。
BBSのメンバーは若者と対話を重ねる中で、競技スポーツだけでなく、カルチャーの側面にも理解を広げる必要性を感じたという。まちなかでスケートボードを楽しめる環境づくりや普及に向けて、まずはイベントを開いてはどうかとアドバイスし、協力しながら準備を進めてきた。

交通アクセスが良く、人が集まりやすい駅の地下を開催場所に選び、スケボー体験スペースにはネットを設けるなど安全対策を講じ、市から使用許可を得た。

イベントは「わかちかプチまつり」と題し、県スケートボード協会が協力。輪投げなど縁日風の体験ブースも設け、若者の文化を発信しようと、ダンスのパフォーマンスも盛り込んだ。

この日、子どもたちはヘルメットやプロテクターを着用。メンバーに手を取ってもらいながら、滑走を楽しんだ。アドバイスを受け、うまくいくとハイタッチし、転倒しても繰り返し挑戦していた。

東さんも子どもたちをサポートし「スケボーをあまり見たことのない人にも、知ってもらえるいい機会になった。パークに行きたい、やってみたいと思う子が一人でも増えれば」と話していた。

西地さんは「これほどたくさんの人が集まってくれてうれしい」と笑顔。まだまだ「危険」「不良がする遊び」といったイメージを持たれることが多いとし、「この場所は、もともとスケボーをやってはいけない場所。自分たちがルールやマナーを守って活動することで、少しずつでも理解が広がるかもしれない」と話していた。

実行委員長で和歌山市BBS会のメンバー、鵜崎輝明さん(39)は「ここで出会った仲間で、新たなコミュニティーが生まれるきっかけにもなれば。居場所づくりへ、行政にも理解を得ながら、活動を続けていきたい」と話していた。

子どもたちが笑顔でスケボーを体験

子どもたちが笑顔でスケボーを体験

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