秋の風情味わう 和歌山文協が「観月の夕べ」
和歌山文化協会(森本光子会長)主催の「観月の夕べ」が1日、和歌山市のホテルアバローム紀の国の和室と、こもれび庭園で開かれ、同協会の華道部、茶道部員が月に花とお茶をささげた。
中秋の名月の時季に開いている同協会の年間三大行事の一つ。茶席では来場者に抹茶が振る舞われ、約130人が深まる秋とともにゆったりと味わった。
森本会長は、あいさつで「水を掬(きく)すれば月手に在り、花を弄すれば香衣に満つ」という禅の言葉を紹介。争いが絶えない昨今の世界の情勢にふれ「自然に逆らうことなく教養を身に付けてみんな仲良く、そんな気持ちになれば世界は平和になるのでは」と話した。
暮れゆく秋空を背景に、華道部による献華の実演、茶道部による献茶があり、会員6人が担当。献華ではススキやフジバカマ、ホトトギス、ケイトウなどが風情豊かに生けられ、凛とした空気の中で厳かにたてられたお茶は、和菓子とともに供えられた。大勢がその様子に見入り、訪れた市内の60代の女性は「お茶とお花を楽しむことができ、秋の深まりを感じました」と笑顔で話していた。
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