「避難する」意識高く 宮前地区で防災訓練

和歌山市の宮前地区防災会(前島五十昭会長)は15日、大地震と津波を想定した避難訓練を行い、地域住民が防災への意識を高めた。

避難訓練は18年前から実施。コロナ禍で中止が続き、昨年は避難場所や手順の確認する内容で実施した。

この日は、全39自治会の住民約600人が参加。同防災会によると、地区には約7000世帯1万5000人が住んでおり、広範囲であることから、訓練は数年前から四つのブロックに分けて実施。地域の状況に応じた実践的な内容で訓練をしている。

この日は午前8時半に防災無線で地域に地震の発生を知らせ、住民は、和歌山ビッグ愛や宮前小学校など、それぞれ指定された避難場所へ向かった。

このうち、東和中学校を避難場所としたブロックでは、県防災企画課や県警、和歌山東署が協力。東日本大震災発生時に、被災地へ派遣された和歌山東署警務課の長谷川保千代警部補、地域課の松下智紀巡査長が講話。現場での体験を伝え、「地震や津波は、一瞬で大切な人の命や生活を奪い去ってしまう」「自分が今できることは、過去の教訓を伝え災害に備えること」などと話した。

この他、同所では東日本大地震や紀伊半島大水害での警察による救助活動のパネル展示もあった。

前島会長(79)は「コロナの影響で実施できなかったぶん、感覚が薄れているので、『避難する』という意識を強く持ってもらいたい。より多くの子どもたちや若い世代に参加してもらうことを来年の課題に、訓練を重ねていきたい」と話していた。

東和中学校へ避難する住民

東和中学校へ避難する住民

東署員が東日本大震災での体験談を話した

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