労働委員会の利用を啓発 28日に特設相談会

10月の「個別労働紛争処理制度」周知月間に合わせ和歌山県労働委員会は18日、街頭啓発活動を和歌山市のJR和歌山駅前、南海和歌山市駅前で行い、労働に関するトラブルには同委員会への相談を利用するよう呼びかけた。28日正午~午後6時には、同市中のイオンモール和歌山3階イオンホールで「特設労働相談会」を実施する。

同委員会は、労働者と使用者の間で発生したトラブル(パワハラ、解雇・雇い止め、配置転換、賃金未払いなど)の解決に向け、相談や調整、審査などの業務を行っている。

公益委員(弁護士など)、労働者委員(労働組合の役員)、使用者委員(経営者など)の三者各5人で委員を構成し、組合活動を理由とした使用者の不利益な扱いなどの不当労働行為を審査する「審査機能」と、労使紛争の解決のためにあっせんや仲裁などを行う「調整機能」の主に二つの機能がある他、労働に関する多様な問題の相談を受け付け、労働基準監督署などの関係機関への紹介や助言なども行っている。

2022年度の相談実績は166件(前年度比58件増)、326項目。最も多かったのは「パワハラ・嫌がらせ」に関する相談で68件(21%)、次いで「賃金未払い」が27件(8%)、「その他経営又は人事」が25件(8%)だった。「パワハラ・嫌がらせ」の相談は、23年度の8月末現在ですでに16件あり、多い傾向が続いている。

街頭啓発には委員や事務局職員ら約20人が参加し、通勤・通学の駅利用者らにチラシが入った啓発用ポケットティッシュ2000個を配布した。

会長代理の田中祥博弁護士は、物価高騰などの厳しい経営環境の中、労働者の賃金が上がらないなど、さまざまな労働問題が起こりうる状況にあるとし、「公労使の三者の委員が一組で対応するのが労働委員会の特徴。何か悩みがあれば、気軽に、安心して相談してもらいたい」と話した。

委員による相談は毎月第1・3水曜、県庁北別館5階労働委員会室で実施している(前日午後4時までに要予約)。

28日の特設労働相談会は、予約制で定員先着20人。空きがあれば当日会場でも受け付ける。

予約、相談、問い合わせは事務局(℡073・441・3781)。

 

駅利用者に啓発グッズを手渡す委員ら(JR和歌山駅前

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