安否確認や避難所開設 松江地区で防災訓練

和歌山市の松江地区防災会(川口敏夫会長)の南海トラフ巨大地震を想定した防災訓練が4日、松江小学校(同市松江北)で行われ、地域住民約800人が参加し防災への意識を高めた。

2000年に発足した同会は毎年11月に訓練を実施。災害発生時、被害を抑えるためのマニュアル作成や、避難訓練などの継続した取り組みを行っている。今回は初めて安否確認訓練と、避難所開設、運営の訓練を追加した。

午前9時、住民は緊急無線放送を聞き、各自で安全行動を確認。安否確認訓練として、家族の無事を知らせる黄色い布を家の前に掲げた。そうすることで救助する人の手間を省き、より助けが必要な人を早く発見することに役立つとして導入。今後、毎月1日は黄色い布を掲げる日として訓練を行う。

その後、近所の人に声を掛けながら松江小学校に向かった。体育館では避難者の受け入れ、振り分け、情報収集、伝達などの図上と実働訓練を合わせて行い、実際に使用する段ボールベッド、テントを展示。マンホールトイレも設置した。

テントを見ていた75歳の女性は「本当にこの中で生活できるか分からないけど、辛抱しないといけないんでしょうね。実物を見ることができて良かった」と神妙な面持ち。

今回初めて参加したという40代の男性は「段ボールベッドがものすごく丈夫なことに驚いた。災害が現実になったときに安心できるので、これからは毎年参加したい」と話していた。

続いて応急処置の方法、水消火器による消火訓練、ホースを延長し、放水する訓練も行われた。

会場には参加者の防災意識をより高めてもらおうとVR地震体験車、煙体験ハウスも設置。配給訓練として参加者に水、α化米、乾パン、備蓄用缶入りパンが配られた。

川口会長(75)は「ことし初めて避難所開設、運営の訓練をしたが、やってみて問題点や課題が分かった。後日反省会をして話し合い、来年はさらにグレードアップした訓練にしたい」と意欲を見せた。

家の前に黄色い布を掲げ家族の安全を知らせる

家の前に黄色い布を掲げ家族の安全を知らせる

 

校庭に設置されたマンホールトイレ

校庭に設置されたマンホールトイレ

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