夜間の火災を想定し 那賀消防などが訓練

秋の全国火災予防運動(9~15日)に合わせ、那賀消防組合は8日、和歌山県紀の川市桃山保健福祉センター(同市桃山町)で夜間の総合訓練を実施。同市消防団桃山分団、同センターの自衛消防隊と連携し、迅速で安全な避難や、初期消火などの対応を確認した。

火災防御技術の向上や消防体制の強化などを目的に、毎年、那賀地域内の福祉施設などで行っている。この日の訓練には組合員や消防団員、自衛消防隊員計53人が参加し、組合と消防団の消防車、各4台が出動した。

訓練では、同センター1階の厨房から出火したとし、午後7時に自動火災報知設備が作動。自衛消防隊員が初期消火や避難誘導、消防機関へ通報を行うも延焼は拡大し、打撲などで歩行困難な人や、煙を吸い込んだ人など、10人がセンター内で救助を求めている想定で行われた。

組合の消防隊と消防団は共同で、到着後すぐに放水。「一斉放水、開始」の合図で、5口のホースから一斉に放水した。組合の救助隊員は屋内へ救助に向かい、センター駐車場に設置した応急救護所へ負傷者らを担架などで運んだ。実際の火災では応急処置に続いて、重症者から順に救急搬送するという。

消防本部の山田達也警防課長(58)は訓練を終えて、「夜間火災では勤務している組合員が少ないので、自衛消防隊の通報、避難誘導、初期消火を遅れずに効率良く行うことが大切になる」とし、「きょうの訓練は、初期対応はうまくできていた。防御体制の充実に向け、相互の連携体制をさらに強化していきたい」と話した。

一斉放水を行う消防団員と消防隊員

一斉放水を行う消防団員と消防隊員

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