車いす着付で社会ボランティア賞 吉本さん
女性の奉仕団体、ソロプチミスト日本財団の「社会ボランティア賞」に、福祉車いす着付師として活動する和歌山市の看護師、吉本和子さん(61)が選ばれた。吉本さんを推薦した国際ソロプチミスト(SI)和歌山はクラブ賞を贈り、ダブル受賞のお披露目と吉本さんの卓話が15日、同市のダイワロイネットホテル和歌山で行われた。
社会ボランティア賞は、地域社会のニーズに適合した地域密着型のボランティア活動に継続的に取り組んでいる人をたたえるもの。
吉本さんは、訪問看護師として勤務する中、日本理美容福祉協会が認定する福祉車いす着付師の資格を取得し、障害児に着物を着付け、楽しんでもらう活動を続けてきた。
全国の表彰式は8日に東京都内で行われ、吉本さんは同財団が贈る各賞の受賞者の一人として、アニメーション映画監督の新海誠さんらと共に式に出席。同行したSI和歌山の役員らと喜び合った。
15日の和歌山でのお披露目では、SI和歌山の嶋田一代会長が吉本さんの活動をたたえ、クラブ賞を手渡した。
吉本さんは卓話で、美容院などでは障害児の着付けは断られる場合が多い現実があり、「体が不自由で、気持ちまで不自由になってしまうのはつらい」との思いで、着物を楽しんでもらう活動を始めたことを紹介。着付けてもらった子どもたちが普段見たことがないような笑顔になり、保護者が涙を流して喜ぶ姿に何度も接してきた経験から、「車いす着付けは、未来に夢と希望をつなぐ活動だと思っています」と語った。
嶋田会長は「受賞を機に吉本さんの活動が広く知られ、より多くの人に利用してもらえるよう、皆さんがつながるきっかけになればうれしい」と話していた。
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