電話音声明瞭器など 明治安田が和市に寄贈

明治安田生命保険相互会社和歌山支社(村尾和義支社長)は20日、電話の音声を聞き取りやすくする電話音声明瞭器「サウンドアーチ(声の架け橋)」と、住民の健康増進のための寄付金を和歌山市に贈った。

聞こえに悩みを抱える高齢者らは、電話の利用を敬遠する傾向にあり、社会的孤立を経て認知症に至る危険性が指摘されている。電話音声明瞭器は、同社のシニア職員の発案で、同社とメーカーが約6年をかけて開発。固定電話に取り付けることで、送話者の音声を難聴者にも聞きやすく変換し、明瞭に聞こえるようにする効果がある。

同社はことし1月から、高齢顧客専用の問い合わせ窓口などのコミュニケーションセンターにサウンドアーチ約100台を設置。アンケートでは、顧客の約80%が「聴こえやすくなった」、電話をかける側の約90%が「会話が通じやすくなった」と回答し、有用性が評価されている。

4月からは、同社が連携協定を結んでいる全国の自治体に寄贈する活動を始めており、県内で初めて和歌山市への寄贈が実現した。

寄付金は、同社従業員が出身地などゆかりのある地域を指定して行う募金に、会社の拠出を上乗せする「私の地元応援募金」によるもので、125万5000円が贈られた。

サウンドアーチは、高齢者からの電話問い合わせが多い高齢者・地域福祉課で使用し、寄付金は、西庄ふれあいの郷の備品購入に充てる。

寄付と寄贈の受け入れ式は市役所市長室で行われ、村尾支社長が尾花正啓市長に目録を、尾花市長が村尾支社長に感謝状を手渡した。

尾花市長はデモンストレーションでサウンドアーチを体験し、「非常に明瞭で聞き取りやすい。困っている方がストレスなく受け答えができるようになり、ありがたい」と感謝。村尾支社長は「地域がより元気になるように活用してもらいたい。今後もより地域に貢献できるよう頑張っていきたい」と話した。

 

サウンドアーチと目録を手にする村尾支社長㊧、尾花市長