城でモビリティ実証実験 魅力増、回遊促進

和歌山城公園や中心市街地での回遊を促進し、にぎわい創出を目指すため、和歌山市は12月2日から、同公園内と城前広場を結んで電動モビリティ(移動手段)を運行する実証実験を行う。

大阪大学、同大発のベンチャー企業㈱HULIXと市が締結した「高度通信開発委託事業への協力に関する覚書」に基づく取り組み。

実証実験は2~4日、8~11日の午前10時~午後4時に行う。1人乗りの電動キックボードや電動カートなど3種類のモビリティを運行し、来訪者の移動・行動データを計測する。

和歌山城は市内有数の観光スポットであり、城の北側エリアには新規店舗などが増加。市は天守閣や同公園動物園などの入場者数は把握しているものの、公園を訪れる人々の主要な動線は分かっておらず、公園を直接訪れ、そのまま帰ってしまう人が多いという課題もある。

こうした課題の解決に向け、実証実験のデータは、現実世界のシステムを仮想空間内に表現し、継続的に更新していく「デジタルツイン」のプラットフォームで処理し、モビリティの運営や交通リスクの調査、回遊施策の検討などに活用する。

実証実験に合わせて、電動カート乗車中に城や市内に関する謎解きを楽しむ「城モビQ」、回遊促進アプリ「和歌山城モバイルスタンプラリー」(2~24日)などの取り組みも行う。

尾花正啓市長は「モビリティの社会実験を通じて、滞在時間を含め、和歌山城の魅力をさらに高めるにはどうすれば良いか、城の北側エリアとどう結び付けるかなど、今後の政策に生かしていきたい」と話している。

 

実証実験について説明する尾花市長

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