迫力の大般若経 紀三井寺で転読法会
ことし最初の観音様の縁日「初観音」が18日、和歌山市の紀三井寺(前田泰道貫主)であり、本堂では無病息災などを願う「大般若経転読法会」が営まれた。
昨年まで規模を縮小していたが、ことしは4年ぶりに僧侶の人数、一般信徒の入堂もコロナ前に戻して実施。約100人の信徒が参加した。
大般若経は『西遊記』で知られる三蔵法師・玄奘がインドから中国に持ち帰り、翻訳した経典で全600巻ある。全てを読経すると長い時間がかかるため、表題を読みながら繰り落とす。
能登半島地震と、発生から29年となった阪神淡路大震災の犠牲者に黙とうをささげた後、11人の僧侶たちが頭上で経典をアコーディオンのように広げ、大声で題目を唱えながら次々と繰り落としていった。
字を目にするだけ、その風に当たるだけでも御利益があるとされ、参拝者は迫力ある様子を見守った。
前田貫主は「辰の年 経つときはいと早きこと なおざり暮らすは 断つ年にせん」と詠み、「せっかくいただいた貴重な時間をなおざりに過ごしてしまうのをやめる年にしましょう」と呼びかけた。経典を肩や痛む部分に当てて功徳を受ける「お加持」もあり、参拝者は一年の無病息災や平穏無事を祈った。
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