司法のIT化推進を 弁護士会次期会長に谷口氏

和歌山弁護士会は23日、2024年度の会長に谷口拓(ひらき)氏(51)を選出した。副会長には藤田隼輝、東絋資、森脇大介の3氏が選ばれた。任期は4月1日から1年間。

谷口氏は和歌山市出身。関西学院大学法学部政治学科卒、同志社大学大学院法学研究科修了。同会では民事介入暴力及び非弁護士活動対策委員会委員長、研修委員会委員長などを歴任している。

選出を受け、同市四番丁の和歌山弁護士会館で会見が開かれ、谷口氏は「従前の方針や流れを継承し、所属する弁護士が業務を円滑、効果的に行うことができるようサポートするとともに、各審議会、委員会活動を通じ、重大な社会問題については意見を表明するなどの活動を行っていく」と抱負を述べた。

重点的な取り組みには、法律相談など弁護士へのアクセスの充実、司法のIT化への対応、教育分野の法律支援体制の充実などを挙げた。

同会弁護士が和歌山市内に集中していることから、「災害が発生した際、迅速に被災者向け法律相談に対応できるよう、自治体と協力してリモート体制を整備していく」とし、同会紛争解決センターが実施する弁護士会ADR(裁判外紛争解決手続)についても、リモートによる手続きができるよう取り組むとした。

司法のIT化は、2022年に民事訴訟手続きのIT化を推し進める改正民事訴訟法、23年に民事執行、倒産、家事手続きのIT化を図るための改正法が成立したことを受け、昨年から和歌山地方裁判所本庁、各支部で民事裁判書類電子提出システムの運用が始まっている。「個々の弁護士がこれからの司法のIT化に対応できるよう必要なサポートを行い、県民の裁判を受ける権利の実現に寄与していきたい」と意気込んだ。

 

抱負を述べる谷口次期会長

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧