商店街を盛り上げよう 海南高生がイベント

地域を活性化しようと、和歌山県海南市大野中の県立海南高校2年生文系の生徒たちは10日、JR海南駅前の一番街商店街でイベントを開く。地元の製菓店や農家らと連携して商品を販売する他、食品廃棄の削減などを訴える手作り紙芝居の披露、謎解きゲームなど、趣向を凝らした内容。生徒たちは「子どもから高齢者まで楽しめる企画を用意しました。ぜひ多くの人に、商店街に足を運んでほしい」と呼びかけている。

「総合的な探究の時間」の授業の一環。生徒たちは「魅力ある海南地方の創成」をテーマに、観光や防災など六つの班に分かれ、地域活性について、それぞれの視点で課題解決に向けて取り組んできた。

人文経済班の26人は、産業の視点から同商店街の現状について生徒や住民にアンケートを実施。昔に比べて人通りが減り、寂しくなってきたという意見や、かつてのにぎわいが戻ってほしいと願う人が多い結果が得られ、活性化の一助になればとイベントの開催を決めた。

会場は同商店街の桐陶器店の西隣で、蔵出しみかんの販売、市のPRキャラクター「海ニャン」とコラボしたお菓子やプリンの販売などがある。謎解きゲームは「永遠の陶器(ポラリー)」と題し、桐陶器店の陶器が何者かに盗まれたという設定。商店街内の6カ所で出題される問題を解き、キーワードを集めて犯人を見つける。

問題は、同校生徒が考えたオリジナルのなぞなぞで、小学生でも簡単に解ける内容。所要時間は30分程度。

オリジナル紙芝居は、廃棄物をテーマに、生徒が物語や絵など一から考えた。食べ残したニンジンを捨ててしまった小学3年生の男の子を主人公に展開。男の子は夢の中でニンジンになってしまい、他の捨てられた食材と共に焼却炉へ向かうことに。果たしてニンジンの運命はいかに――という内容。生徒たちは「どんな結末になるか、ぜひ見に来てください」とPRしている。

その他、生徒が監督、出演、編集したストーリー仕立ての空き家の危険を啓発する「空き家啓発ビデオ」の上映もある。

中川諒星さん(17)は「企画や交渉など、全て手探りでみんなと協力してここまでやってきた。このイベントを機に、多くの人に商店街を利用してもらいたい」と意気込んでいる。

正午から午後3時まで。問い合わせは海南高校(℡073・482・3363)。

販売に向け話し合う生徒たち

販売に向け話し合う生徒たち

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