建設業に関心持って 和工生がICT機械体験

効率化を図るため、建設や土木現場で取り入れられるICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)を体験し、業界に興味を持ってもらおうと、和歌山市川辺の㈱アクティオ和歌山営業所(花井直樹所長)で6日、体験会が開かれた。同市西浜の県立和歌山工業高校土木科1年生の38人が参加し、同技術を取り入れたICT建設機械の操縦などを体験した。

国交省近畿地方整備局和歌山河川国道事務所が主催し、一般社団法人県建設業協会と、会員の同営業所が協力した。土木、建設業では従事者の減少が課題となっており、その担い手として期待がかかる同科の生徒らに、業界の新たな技術をPRし、将来の選択肢として意欲的に考えてもらおうと実施した。

体験会では、㈱アクティオの小沼直人代表取締役社長兼COOらがあいさつ。同国道事務所の奥野真章所長が、「業界の人口も減ってきているが、技術は進歩し現場での省力化が進んでいる。きつい業界にならないように努めたい。皆さんの進路を考えるきっかけにしていただきたい」と激励した。

この日、生徒らはICT搭載の20㌧のパワーショベルに同営業所の社員らと同乗。従来は2本のレバーで細かな操縦が必要な作業を、自動制御により1本のレバーとボタンだけという、より簡単になった操作で、アームを動かした。他にもロードローラーや測量を体験。ドローンのデモンストレーションを見学し、地理的なデータ解析に今まで複数人で2日間かかった作業が、1人で4分間に短縮されたことなどの説明を聞いた。高所作業車に試乗し、青空の下で景色を楽しんだり、足がすくんだりする生徒も見られた。

重機の操作を体験した畑口宇宙(そら)さん(16)は「大型機械に憧れがあり、こんな技術はすごいと思う。距離感覚をつかむのが難しかったが、楽しかった」、ローラーに乗った成瀬虎太郎さん(16)は「一つの機械がいろんな仕事をしていて面白いと思った。現場でもまだ多くないと聞き、良い経験になった」と話した。

同科長の堀新成教諭は「みな生き生きと楽しそうだった。建設業もデジタル化が進んできており、若い世代が興味を持ちやすい分野なので、より土木・建設業に関心を持つきっかけになれば」と話した。

パワーショベルを操縦する生徒

パワーショベルを操縦する生徒

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