南高梅の新商品 アサヒ飲料が発売へ

アサヒ飲料の人気ブランド「三ツ矢」の140周年、「ウィルキンソン」の120周年の節目に合わせ、和歌山県産南高梅を使用した2商品が20日に全国発売される。白浜町大古出身で、三ツ矢サイダー誕生の立役者である中谷整治にスポットを当て、熊野白浜リゾート空港でのPR、三ツ矢サイダーを使用したご当地レシピの開発など、同町の地域おこしにつながる活動が展開される。

兵庫県川辺郡多田村平野(現川西市)で天然炭酸水「平野水」が商品化されたのが140年前の1884年。実業家の中谷は1905年、苦境に陥っていた平野水の事業を引き受け、三ツ矢平野礦泉合資会社を設立、「三ツ矢印平野水」の生産販売を開始し、07年にはイギリス製のフレーバーエッセンスを用いた「三ツ矢印平野シャンペンサイダー」を発売し、人気商品に育てた。同商品が68年に「三ツ矢サイダー」と名称変更され、現在まで続くロングセラーとなっている。

炭酸水ブランドの「ウィルキンソン」は、イギリス人実業家のジョン・クリフォード・ウィルキンソンが兵庫県宝塚の山中で高品質な炭酸鉱泉を発見し、1904年に「ウヰルキンソン タンサン」と名付けて販売し、国内外に知られるようになった。

新発売となるのは「三ツ矢 芳醇南高梅」と「ウィルキンソン タンサン ウメ」の2商品(いずれもペットボトル500㍉㍑)。アサヒ飲料は2012年度から県協力商品を販売し、今回を含めて16品となる。

「三ツ矢 芳醇南高梅」には梅ピューレ、梅エキスを使用し、以前の県産梅使用商品よりも香り高く濃い味わいで、南高梅本来のフルーティーなおいしさが楽しめるとし、通年販売される。南高梅も三ツ矢もともに100年超の歴史があることから、パッケージには「百梅」の表示もされている。

「ウィルキンソン タンサン ウメ」には梅エキスを使い、無糖ながら深みのある南高梅の香りが感じられ、爽快な刺激が楽しめるという。数量限定で3カ月程度の販売になるとしている。

発売を前に同社の清水博之近畿圏本部長、林未知香マーケティング本部部長らが13日、県庁を訪れ、岸本周平知事に中谷と三ツ矢の関わり、新商品について説明し、今後の地域との取り組みなどを巡り意見交換した。

熊野白浜リゾート空港で「中谷整治&三ツ矢サイダー」のPRイベントを行う他、同社と南紀白浜観光協会が三ツ矢サイダーを使用したご当地レシピの開発を進めており、協会員企業を含めたご当地ドリンク取り扱いマップを作成する予定となっている。

清水本部長は「全国どこでも買えるように売り場を増やし、1本でも多く飲んでいただけるよう認知を高めていきたい」、林部長は「中谷さんがいなければ、今のように三ツ矢を飲んでいただくことはできていない。白浜の子どもたちにも知ってもらい、和歌山で良い循環ができたら」と話した。

新商品説明のため岸本知事㊨を訪ねた清水本部長

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