市高内に夜間中学校 来年4月に設置へ

和歌山市は15日、2025年度の開校を表明していた県内初の公立夜間中学校を、同年4月1日に六十谷の市立和歌山高校(市高)内に設置すると発表した。同高定時制と連携教育を進め、ビジネスに関連する情報系科目の学習機会の提供なども検討する。

夜間中学は、戦中戦後の混乱や不登校など、さまざまな理由で義務教育を十分に受けられなかった人に学びの機会を提供する。本国で義務教育を修了していない外国人の学びの場にもなる。

和歌山市は昨年の12月市議会で、尾花正啓市長が市立夜間中学校の設置を表明し、審議中の24年度当初予算案にも広報や先進地域の視察などの関連費用を計上している。

市高内への設置を決めた理由について尾花市長は、JR六十谷駅から近く通学が便利であること、同じ敷地に定時制高校があって連携ができることを挙げた。

市高定時制にはビジネス情報、ビジネス実践の2学科があり、尾花市長は「実用的な面も夜間中学校の中で取り組むことができればという形で、連携を開始したい」とし、さらに「いろんな年齢の方が来られることになる。同じ空間で一緒に、高校との、人との交流も大事にしたい」と話した。

市教委によると、今後は授業の開始・終了時間や定員などを6月議会で、教育内容や設備改修費用などを9月市議会に報告し、10月ごろから生徒の募集を行うとしている。文部科学省は、各都道府県と政令指定都市に少なくとも1校の夜間中学校を設置するよう促しており、昨年10月現在の設置数は17都道府県に44校。

夜間中学と市高定時制の連携について話す尾花市長

夜間中学と市高定時制の連携について話す尾花市長

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