人生会議テーマに 堀ちえみさんらトーク
人生の最終段階における医療やケアについて考えてもらおうと、和歌山県は23日、和歌山市中のイオンモール和歌山で、舌がんを経験した歌手で女優の堀ちえみさん(57)らを招いた在宅医療に関する啓発イベント「人生会議 さいごまで自分らしく」を開いた。堀さんと飛騨千光寺長老で県立医科大学の大下大圓連携教授が、同大学付属病院紀北分院の廣西昌也分院長による司会の下でトークセッション。2部制で行われ、計約800人が訪れた。
「人生会議」とは、もしものときのために、自身が望む医療やケアについて前もって考え、家族などや医師らと話し合い、共有する取り組み。
堀さんは入院時には死を覚悟したと言い、「自分の目線でなく、家族の目線でいろいろなことを考えることができた」と振り返った。がんを患った経験などから後悔を残さずに笑顔で生きていきたいとも話し、「皆さんもすてきな人生を歩んでいきましょう」と呼びかけた。
大下連携教授は「家族みんなが同じ方向を向いてその人を支えていく気持ちにならないといけない」と伝え、死は全員に必ず訪れるため、「とにかく自分で自分の人生を設計することが一番大事」と強調した。
廣西分院長は講演も行い、「無理をしない範囲で人生会議を考えるきっかけにしていただければ」と呼びかけた。本人や家族の意向に沿って延命治療と緩和治療のバランスを考えることが重要とし、「自分一人で決めずに(パートナーや家族らと)みんなで決めてほしい」と伝えた。
来場した海南市且来の山本操(みさお)さん(53)は「自分が亡くなる前に、どう生きたいかを子どもや主人に伝えようと思った」と言い、岩出市新田広芝の前田裕子さんは「死ぬためでなく、生きるためにどうするかを考えようと感じた」と話した。
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