県と山東省友好提携40周年 記念事業

和歌山県と中国・山東省は、友好提携締結から今月で40周年の節目を迎える。19日には同省幹部らが来県し、岸本周平知事と記念会談を行い、友好関係の発展に向けて意見交換する。民間交流のさらなる推進も図り、同省の大衆日報社と和歌山新報社は、両県省民の交流に資する情報発信などで協力する覚書を締結し、県日中友好協会は、両国友好にゆかりの白皮松の記念植樹を行う。

山東省は中国北東の沿岸部に位置し、人口は1億人超の国内2位で、2022年のGDPは国内3位と経済規模も大きい。世界遺産となっている泰山や孔子の生誕地・曲阜をはじめ世界的な観光地、文化遺産もある。

県と山東省が友好提携を締結したのは1984年4月18日。当時は仮谷志良知事の時代で、梁歩庭省長を団長とする訪問団6人を和歌山に迎え、県庁正庁で調印した。以来、文化、学術、観光など多分野にわたる交流が行われ、青少年の訪問や交流、両県省職員の相互派遣、民間事業者のビジネスなどの実績を積み重ねてきた。コロナ禍で対面交流の中断を余儀なくされた時期も、オンラインなどを活用した交流を継続してきた。

40周年を記念して来県するのは、中国共産党山東省委員会常務委員兼宣伝部長の白玉剛氏をはじめ約50人。岸本知事と白常務委員は和歌山市内で記念会談を行う他、和歌山新報社と大衆日報社との覚書調印式、山東出版集団から県国際交流センターへの図書寄贈式などにも立ち会う。

大衆日報社は、1939年1月に創刊し、中国新聞業界で最も長い継続発行期間を持つ「大衆日報」を母体とし、新聞9紙、雑誌4誌、8のウェブサイト、8のニュースクライアントを所有するメディアグループ。

同社と和歌山新報社の覚書は、両県省の友好交流を共同で推進することを目的とし、特に文化、教育、観光、産品の分野の情報を相互に提供し、PRなどを行うことにしている。

県日中友好協会による記念植樹は、県立近代美術館(和歌山市吹上)の敷地内で行う。植えられる白皮松は、中国原産の樹皮が白い松。同協会に「中日友好千年萬年」の書を贈った廖承志中日友好協会初代会長が1979年の訪日の際、日本に種をもたらした日中友好ゆかりの木となっている。

岸本知事は15日の定例記者会見で、同協会の活動などを挙げながら、「和歌山県は山東省の人たちと民間レベルで友好関係が非常に深い。政府同士では不協和音が起きるときも、地方公共団体レベル、国民レベルの民間での付き合いが非常に安定をもたらす。それがこの40年間の成果だったと思う」と述べ、今後も地方公共団体や民間での青少年交流や経済交流などを通して、安定した友好関係を目指す考えを示した。

今回の山東省からの来県を受け岸本知事は7月、同省を訪問し、政府関係者との意見交換や、財務官僚時代に客座(客員)教授を務めたことがある山東大学での記念講義などを行う予定。

県庁で行われた友好提携の調印式(1984年4月18日・県提供)

県庁で行われた友好提携の調印式(1984年4月18日・県提供)

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