記念訪問団来和 県と山東省友好提携40周年で

和歌山県と中国・山東省の友好提携40周年を記念し、中国共産党山東省委員会常務委員兼宣伝部長の白玉剛氏を団長とする約50人の訪問団が19日に来県した。岸本周平知事との記念会談や祝賀会、同省の大衆日報社と和歌山新報社との覚書締結、県日中友好協会による記念植樹などの行事が行われ、友好関係のさらなる発展に向けた取り組みを確認し合った。

県と山東省は仮谷志良知事時代の1984年4月18日、梁歩庭省長を団長とする訪問団6人を和歌山に迎え、県庁正庁で友好提携を締結した。2007年11月には両県省の友好交流関係の発展に関する覚書、09年12月には県商工観光労働部と山東省旅遊局の友好協力覚書にも調印。地方政府間の交流に加え、多くの民間団体や企業も参加し、文化、経済、教育など多分野で交流を進めてきた。

記念会談は和歌山市毛見の和歌山マリーナシティホテルで和やかに行われた。

訪問団を歓迎した岸本知事は「私たちの先輩たちが友好関係を結んで40年。素晴らしい交流が積み重なってきた。中央政府同士は山があったり谷があったりするが、民間の交流、地方政府の交流が常に安定して築かれてきたことが、日中の友好関係にとても大切だと考えている」と述べ、「40周年をきっかけに、環境問題など新しい課題について山東省とチャレンジをしていくことを楽しみにしている」と今後の関係発展に期待を寄せた。

白常務委員は「今までの40年間は、両県省の先輩、各界の友人からたくさんの力を頂いてきた過程だ」と述べ、中小企業の経済交流や貿易、観光、高齢者介護など各分野の連携、青少年の相互訪問などの人的交流を継続してきたことなどの実績に言及。今後の友好提携の深化に向けて、対話と交流のさらなる仕組みをつくっていくことが重要と提案し、「交流のプラットフォームを通じて、文化、青少年の交流、学校間、メディア間、博物館など文化機関の間での交流などの活発化を期待している」と述べた。

会談には薛剣駐大阪中国総領事らも同席し、40周年を祝福。記念品の交換では、県から400年の歴史を持つ伝統工芸、紀州漆器の技法を駆使した漆塗りのガラス皿を贈呈。山東省からの品は中国古代の儀礼に用いられた3本足の器「鼎(かなえ)」で、長い歴史を持つ鼎のように、両県省の友好が末永く続くことを願って作られた。

会談に続き、岸本知事、白常務委員の立ち会いの下、山東省の出版社、山東出版集団から県国際交流センターに対して儒学などに関する書籍の寄贈式が行われた。山東省のテレビ局、山東電視台からは、高野山や紀三井寺、パンダなど、中国とのゆかりが深い和歌山の名所や歴史を紹介する番組を制作中であることが発表された。放映は、岸本知事を団長とする県からの訪問団が山東省を訪れる7月を予定している。

夕食を交えた祝賀会では、訪問団と県関係者ら約100人が歓談のひとときを共有した。訪問団は翌20日、高野山を訪問し、22日に帰国する予定。

友好の鼎を手にする岸本知事㊨、白常務委員

友好の鼎を手にする岸本知事㊨、白常務委員

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