科学技術分野で県内3社 文部科学大臣表彰

研究開発や理解増進などで顕著な成果を収めた人を表彰する、本年度科学技術分野の文部科学大臣表彰で和歌山県内からは3社の6人が受賞した。中小企業や地場産業などにおいて地域経済の発展に寄与する優れた技術を開発した人が対象の科学技術賞(技術部門)には、東京農業大学客員教授を務める東洋ライス㈱(和歌山市黒田)の雜賀慶二代表取締役と㈱かつらぎ産業(橋本市)の久保貴弘代表取締役社長が選ばれた。

優れた創意工夫により職域における技術の改善向上に貢献した人に与えられる創意工夫功労者賞は、剤盛堂薬品㈱(和歌山市太田、髙橋良直代表取締役社長)の奥村直美さん(37)、笠松沙希奈さん(27)、中河拓也さん(50)、村上裕紀さん(34)が受賞した。

雜賀代表取締役は、玄米において食味不良の原因となる米粒表面のロウ層を均等にそぎ落とすことで、精白米と同様に炊きやすく食味の良い玄米を製造する加工技術を生み出した。

奥村さんと笠松さんは「チューブから軟膏剤が出ない」という意見を受けてチューブの層構成を改良し、問題を解決。中河さんは錠剤を作る工程で添加物の配合を工夫し、従来比の3分の2の時間での製造を実現した。村上さんは新胃腸薬の製造において減圧下で乾燥可能な湿式造粒法を採用し、従来に比べて飲みやすい薬を開発した。

6人は4月15日付で受賞。24日には県庁で伝達式が行われ、剤盛堂薬品の4人が県商工労働部の大川伸也部長から表彰状と記念メダルを受け取った。

中河さんは「名誉な賞を受賞できてうれしく思う。今後も薬を製造する過程でさらなる効率化を実現したい」と話し、奥村さんは「問題を解決できて良かった。これからも諦めずに研究を続けたい」と笑顔だった。

 

創意工夫功労者賞を受けた剤盛堂薬品の皆さんら

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