紅松庵が50周年 松下幸之助寄贈の茶室

パナソニックホールディングス㈱の創業者で、和歌山市名誉市民の故・松下幸之助が寄贈した和歌山城公園内の茶室「紅松庵(こうしょうあん)」は、ことしで落成50周年を迎える。26日には記念式典が行われ、幸之助の孫である同社の松下正幸特別顧問(78)らが紅松庵で茶会を楽しんだ。

紅松庵は、江戸時代初期に造られたとされる西之丸庭園が1970年から3年かけて整備されたことを記念し、幸之助が74年に寄贈した。紅松庵という名は同庭園の別名「紅葉渓庭園」の「紅」と幸之助の姓の「松」から付けられたとされている。木造平屋建ての数奇屋造りで、渓流の響きに耳を傾けながら、観光客がお茶を楽しんだり、市民らが茶会や稽古をする場として親しまれてきた。

式典には、パナソニックオペレーショナルエクセレンス㈱関西支店の蓑原英樹支店長、尾花正啓市長ら12人が出席。幸之助が寄贈した茶道具などを用いて茶会が開かれた。

初めて紅松庵を訪れたという松下特別顧問は、「50年前から使っていることが想像できないほどきれいに保っていただいていて感謝している。これからも和歌山を訪れる人に(茶室の)雰囲気を感じてほしい」と笑顔だった。

尾花市長は「50年にわたり、茶道文化の発祥の地として多くの市民に親しんでいただいた」と言い、「多くの人にさらに(紅松庵の)良さを知ってもらいたい」と笑顔で話した。

50周年を祝った皆さん

50周年を祝った皆さん

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