「半島防災」の必要性を訴える 半島振興法の見直しに明文化

二階 俊博

本年、1月1日の元旦に発災した能登半島地震は私たち紀伊半島に生活するものにとって大変大きな教訓を与える結果となりました。能登半島や紀伊半島と同様に海に囲まれ平地が限られる半島地域は日本の国土の約1割を占めます。そこで巨大地震が発生すれば一体何が起こるのか、私は今こそ「半島防災」という新たな視点にたった国土強靭化対策を急がなければならないと考えます。
能登半島の先端地域では道路が寸断され、その先の集落が完全に孤立し、救助や支援の手が届かないという極めて深刻な事態が起こっていました。数多くの集落が完全に孤立してしまいました。これは、人命救助のタイムリミットと言われる「72時間」以内に自衛隊や消防等の専門的な救助の手が間に合わないケースが生じます。まさに、半島に生活する私たちにとって、助かる命が助からない可能性を意味するといっても過言ではありません。まさに「半島防災」は焦眉の急に迫っています。
先ず、インフラ面では、道路や空港、港湾、農業関連施設などの防災力を高めなければなりません。能登地震では道路の通行止めが多発したほか、港湾も損壊し、救助関係者らが半島の先にある被災地まで到達するのが難しかったことが背景にありました。集落の孤立防止に向けては、水と食料の備蓄や非常用通信設備の整備などが重要となります。半島で大規模地震が発生した場合は、半島以外での発災と比べ「自助」によって耐えしのぐ時間が長くなると考えなければなりません。改めて、各ご家庭や基礎自治体においては、食料、飲料水をはじめ、あらゆる災害関連備品の質・量を見直す必要があります。
しかしながら、その対策や備えを全て住民や自治体に任せるのでは政治の意味は無いと考えます。私は、「半島防災」の理念と具体的対策を2025年度予算の概算要求や、25年3月末に期限を迎える半島振興法の見直し作業に反映させることが何よりも重要と考えます。特に、半島振興法は昭和60年の制定以来、三方を海に囲まれ、平地が少ない半島地域の生活環境整備に重要な役割を果たして来ました。今年度10年に一度の改定年度を迎えます。そこに何としても、半島故に大地震が発生した際の備えとして、他地域よりも優先して対策を講じるためにも「半島防災」の概念を明記するべきであると考えます。
全国の半島に生活する皆さんは、その多くが第一次産業に従事し日本の食料・食卓を守ってくださっています。国境を守り、国土を維持し、森林・水源を保全しているのも半島に暮らす人たちです。都市のエネルギー供給も担っています。まさに、日本を中心で支えているのは地方の私たちであり、半島に生活する私たちでは無いでしょうか。従って、私たちは「半島防災」の必要性について、声を大にして訴える権利があります。県民の皆さんとともに立ち上がり、私たちの故郷・紀伊半島を守り抜く覚悟です。

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