世界遺産登録20周年 県立博物館で特別展

「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年を記念する和歌山県立博物館(和歌山市吹上)の特別展「聖地巡礼―熊野と高野―」が15日、開幕した。古来、人々を引きつけてやまない熊野三山と高野山、各霊場をつなぐ参詣道の魅力を、貴重な文化財を通して紹介するもの。来年3月9日まで5期にわたり展示を変える大規模展で、第1期は7月21日まで、「那智山・那智瀧の神仏―熊野那智大社と青岸渡寺―」をテーマに開かれる。

那智山は、那智の大瀧を信仰の象徴、源泉とし、熊野那智大社と青岸渡寺が境内を接して厚く信仰され、熊野三山のうち唯一、神仏習合の景観をとどめる。

展示では、両寺社が所蔵する熊野の神仏を表した像や曼荼羅などの文物、那智の扇祭り、那智の田楽などの祭礼にまつわる文化財などが並び、熊野信仰の成り立ちと広がりについて紹介している。

展示資料は64点で、重要文化財18点、県指定文化財・県指定有形民俗文化財39点、那智勝浦町指定文化財2点を含んでいる。

見どころの一つは、熊野那智大社の熊野十二所権現古神像。16世紀末、戦国時代の争乱から那智山が復興された時に造像され、15体全てを神社外で公開するのは、15年前の世界遺産登録5周年記念特別展以来となる。

毎年7月14日に行われる那智の扇祭り(扇会式、火祭り)や那智の田楽(国指定無形民俗文化財、ユネスコ世界無形文化遺産)に使用される楽器などの関連資料、大瀧の前に築かれた那智経塚から発見された仏具、立体の曼荼羅壇を構成する仏像群なども見ることができる。

特別展に合わせ、常設展の「熊野詣」コーナーでも、那智山を描いた江戸時代の絵画14点を展示している。

14日午後には開会式があり、宮﨑泉県教育長らがテープカットを行い、特別展の開幕を祝った。続く内覧会では、同館の坂本亮太学芸課長が案内し、那智山の価値について「神道と仏教、修験などが重なり、一体となって交ざり合った複雑な文化が残されていることがポイントとなっている」などと解説した。

今後の予定は、第2期「神仏・祖師の住まう山―高野山上・山麓の宗教文化―」(8月3日~9月29日)、第3期「人・道・祈り―紀伊路・伊勢路・大辺路をゆく―」(10月12日~11月24日)、第4期「熊野信仰の美と荘厳―熊野速玉大社の神像と古神宝―」(12月7日~1月19日)、第5期「蘇りの地・熊野―熊野本宮大社・湯峯と熊野川―」(2月1日~3月9日)となっている。

第1期の関連行事として、23日と7月6日の午後1時半~3時には博物館講座を開催。23日は関根俊一館長が「那智経塚の遺宝」、6日は藤森寛志県教委文化遺産課主任が「那智田楽へのいざない」をテーマに話す。ミュージアムトーク(展示解説)は6月16、29日、7月13、15日の午後1時半~2時半に行われる。

月曜休館(7月15日は開館し、翌日休館)。開館時間は午前9時半~午後5時(入館は4時半まで)。入館料は一般520円、大学生310円。高校生以下、65歳以上、障害者手帳の交付を受けている人、県内の学校に在学中の外国人留学生は無料。

問い合わせは同館(℡073・436・8670)。

「熊野十二所権現古神像」など貴重な文化財が並ぶ

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