図書修復で 和歌山刑務所と四箇郷小が協定
和歌山刑務所(和歌山市加納)の女性受刑者が、地域の四箇郷小学校の図書の修復をする社会貢献作業を行うことになり、6日、両者が協定を結んだ。受刑者による社会貢献作業は全国的にも珍しく、作業を通じて受刑者らの士気を高め、地域で社会復帰しやすい土壌が生まれることが期待される。
同刑務所には現在、外国人約40人を含む女性受刑者354人を収容。平均年齢は40代で、65歳以上の高齢者は全体の2割を占める。受刑者の改善更生や円滑な社会復帰を推進しようと、同刑務所では無償で、2019年からがん患者のためのタオル帽子を作製し、21年からは刑務所内の白百合美容室で、医療用のドネーションヘア(寄付された髪の毛)の仕分け作業を担ってきた。
社会貢献作業としては今回が3例目となり、協定により、同小学校の古くなった図書の背表紙にテープを貼って補強したり、接着剤で傷んだ本を製本したりする。
同刑務所で行われた協定の締結式には、同小学校の石神和弘校長と同刑務所のイメージキャラクター「わかピー」が出席。同刑務所の処遇部企画部門矯正処遇官で管理美容師の砂山二美看守部長は、「受刑者には手先が器用な人もいる。健康で模範的な受刑者に作業を割り当てていきたい」、浦方亀世刑務所長は「社会貢献作業に従事することで、社会に役立つ行いに目を向けてほしい」と話した。
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