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2010年和歌祭公開中!


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【㈱和歌山新報社】
和歌山市福町49番地
和歌山中橋ビル 4階
Tel.073-433-6111(代)
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 約400年の伝統を誇る和歌山市の紀州東照宮大祭「和歌祭」は5月16日、同神社と和歌浦周辺で行われます。108段の石段を勇ましく大みこしがかけ下り、太鼓や雑賀踊、なぎなた振りなどの渡御行列が練り歩きます。

御輿渡御コース図
より大きな地図で 和歌祭2010 を表示



【5月9日1面】
和歌祭と頼宣の物語 小5の永西さん、御前君制作 当日の16日、東照宮会館前で披露
 「和歌祭」 の紙芝居を和歌山市湊の永西紗耶香さん (10) =湊小学校5年=と同市榎原の御前友宏君 (同) =松江小学校5年=が制作。 16日の祭り当日、 和歌山市和歌浦西の紀州東照宮会館前広場で披露する。 4年前に2人が作った紙芝居 「頼宣物語」 も実演する予定で、 「和歌祭のことや、 祭りを始めた初代紀州藩主頼宣の素晴らしさをもっと知ってほしい」 と張り切っている。 午前11時から午後零時半まで。
 2人が和歌祭と頼宣に興味を持ったのは、 4年前に出版された 『WAKUWAKUわかやま和歌祭』 制作にかかわってから。 その直後に、 「頼宣が、 家康や吉宗に比べてあまり知られていないのが残念」 と分かりやすい紙芝居にして、 イベントなどで実演してきた。
 そしてことしは、 「和歌祭をまだ知らない人がたくさんいる。 見に来て楽しんでもらいたい」 と、 和歌祭を紙芝居に仕上げた。 カラフルな絵のほか、 写真を張るなど工夫。 祇園祭や葵祭と並ぶ日本三大祭りだったこと、 掛け声が独特なことなど、 2人の楽しい掛け合いでポイントを紹介する。
  「和歌祭が大好き。 特にみこしおろしがすごい」 と2人。 御前君は、 「和歌祭が390年近くも続いたのは、 頼宣が、 武士だけでなくみんなが参加できるようにしたからと思う」 と、 永西さんは 「『頼宣物語』 に入れた頼宣14歳の時の話が好きです。 どうぞ見に来てください」 と呼び掛けている。
 紙芝居実演は、 地域通貨わかの会が主催し野うさぎの森が共催する 「わくわく和歌祭を楽しもう」 の一環。 友宏君の母親で童話作家の陽子さんが、 行列の面白さを大きなパネルで説明するほか、 妹背山語り部の会の小林護さんが 「東照宮今昔物語」 を楽しく話す。
 問い合わせは小林さん (℡073・445・0494)。



【5月8日7面】
ことしも手作りの面で 雑賀踊の出演者ら練習に励む 和歌祭
  和歌祭の 「雑賀踊」 の中で演技をする忠棒 (ただぼう) と請棒 (うけぼう) が、 ことしも自分たちで製作した鬼面を付けて出場する。 16日の祭りを前に、 演技者らは和歌山市和歌浦西の紀州東照宮 (西川秀紀宮司) 境内で熱心に練習。 「自分や仲間が作ることで祭りに対する思いも深くなった」 と、 出来上がった鬼面を見ながら気合いを入れている。
 使っていた面の破損をきっかけに、 5年前から能面文化協会とNPO法人 「和歌の浦万葉薪能の会」 の協力で作り始めた面は、 ことしで13面になった。 また今回は、 演技に新メンバーが入ったのもうれしいことの一つ。 忠棒と請棒は現在8人ずつだが、 昨年から岩出市の西村直人さん (25)、 和歌山市六十谷の海善太輔さん (28)、 同市湊の松下教子さん(31) が、 ことしから海南市の小川友希さん (29) が加わった。
 4人は皆、 よさこいの 「海友会danceteam楽舞和」 のメンバー。 「ゆっくりした動きに初めは戸惑ったけど、 この伝統の祭りを伝えていきたい」 と笑顔で話す。
 鬼面製作者6人のうちの一人、 和歌山市和歌浦西の金井修治さん (42) は 「次の世代に祭りを続けてもらえたら」 と期待。 さらに 「以前、 忠棒と請棒は10人ずついたそうです。 まだ面が足りないのでこれからもみんなで作り続けます」 と話している。



【5月3日12面】
とれたてピチピチ魚介類 15日 第8回和歌浦漁港朝市
 とれたてピチピチの魚介類が買えると話題の 「おっとっと広場・朝市」 がことしも15日に和歌浦漁港で開かれます。
 昨年と同じく、 翌16日の和歌祭と連動して開催される同市。 地元漁協、 観光旅館組合などによる名物・わかしらすの料理試食&即売や、 かまぼこ、 天ぷら、 丼ものなど地元特産物を中心とした露店が立ち並び午前10時にスタートします(露店は和歌祭当日の16日も開店)。
 そして注目の鮮魚販売は午前11時から。 その日の底引き網漁であがったばかりのとれたて鮮魚や、 海藻、 塩干物など、 和歌浦ならではの海の幸がその場で購入可能です。
 そのほか、 和歌祭の子どもたちの演舞も披露され、 次の日開催される歴史絵巻を盛り上げます。  問い合わせはベイサイド和歌浦(073・446・3308)まで。



【5月2日1面】
和歌祭本番近付く 紀州東照宮で鉦おろし
 和歌祭の始まりを告げる「鉦(かね)おろし」が1日、和歌山市和歌浦西の紀州東照宮の境内であり、和歌祭保存会のメンバー6人が、境内の楼門前で「カンカンカン」などと小気味よい音を奏でた。
 鉦おろしは、毎年5月1日に実施。鉦と太鼓を鳴らして、地域に祭りの期間に入ったことを音で伝える。昔は、鉦おろしがあるまで祭りの音を鳴らすことは禁じられていたという。ことしの同祭は16日に催される。
 また、「神輿(みこし)おろし」で使われるみこしが「神輿舎」から運び出され、飾り付けが施された。
 そのほか、祭りの小道具や牛車なども倉庫から出され、準備が本格化。当日まで、和歌浦地区が祭り一色に染まる。同会の木村純生さん(50)は「今日が鳴らし始め。地区全体に祭りの雰囲気を伝えたいですね」と話していた。



【4月28日7面】
「御船歌」30年ぶりに5月16日の和歌祭で復活 音源見つかり有志が継承
 紀州東照宮の例祭「和歌祭」の練り物の一つ「唐船(とうふね)」で歌われてきた「御船歌」がことし、約30年ぶりに復活する。

 昨年、同祭の映像を記録している県文化遺産課の蘇理剛志さん(33)が音源を発見。「歌は口伝。無形の文化遺産は継承者がいなければ絶えてしまう」と有志に呼び掛け「御船歌部」を発足させた。まだ完全ではないが5月16日の祭り当日には、太鼓とほら貝に合わせ、和歌浦の名所などを歌い込んだめでたい歌が「ヨーイヤサー」の力強い繰り返しと共に披露される。

 音源を発見したのは「唐船」の現状調査をしていた昨年9月。練習を録音したらしく、御船歌を構成する「長唄」「端唄」「せり唄」「やれ節」の、「長唄」を除く3曲が入っていた。
 その後、実際に歌っていた人や、聴いたという人の協力を受け、音楽が趣味の和歌山大学紀州経済史文化史研究所の村旭輝学芸員(31)と県立自然博物館の揖善継学芸員(30)が12月に御船歌部を作った。
 現在、和歌山大学の学生が歌い手として3人、唐船の曳(ひ)き手として10人参加する予定だが、26日には大学でお披露目し、さらに参加を募った。吉村学芸員は「来年は社会人も含めたサークルとして発足させたい」と意気込んでいる。
 歌は船をこぐ時のゆったりしたリズムが魅力で、歌詞には「一にゃ権現、二にゃ玉津島…」などの和歌浦の名所旧跡や名物、情景が歌い込まれている。蘇理さんは「祝儀歌です。昭和30年代には歌方が10人から20人いたから迫力があったでしょう。祭り当日は唐船だけでなく、ほかの芸もすごいので楽しんでいただきたい」と笑顔。
 和歌祭に詳しい同大教育学部の米田頼司准教授は、「唐船はもともと、緞子(どんす)などを用いた非常に豪華な造りで、六十数人が参加していた花形でした。和歌祭は芸能としての趣向を凝らした平和の祭典ですから、唯一の歌の復活の意義は大きい」と話している。



【4月24日6面】
3部門で作品募集 和歌祭フォトコン
 和歌祭保存会などは、5月16日に和歌山市和歌浦西の紀州東照宮周辺で開催される大祭「和歌祭」のフォトコンテストの作品を募集する。
 題材は祭り当日の様子や練習風景などで、一般、ファミリー、ジュニア(高校生以下)の3部門で募集。
 一般部門は4つ切(ワイド4つ切不可)、ファミリー部門は2L、ジュニア部門(高校生以下)は2Lのプリントサイズ。いずれもカラーかモノクロ。一人何点でも応募可能。原則として応募作品の返却はしない。
 東照宮の西川秀紀宮司、保存会、写真家の松原時夫さんが審査。最優秀賞には賞金3万円、優秀賞は各部門一人で賞金1万円、入賞者10人には賞状と記念品、特別賞10人には記念品が贈られる。
 応募は住所、氏名、年齢、性別、連絡先、題名、応募部門を記した応募票を各自作成し、応募作品の裏に貼付。郵送で受け付ける。〒641-0024和歌山市和歌浦西2-1-20 東照宮会館「和歌祭」フォトコンテスト係。
 6月15日必着。問い合わせは同保存会(073・444・0808)。



【4月21日6面】
「和歌祭」もっと知ろう 星林高校で「ふるさと教育」
 和歌山の伝統行事を深く知ろうと、県立星林高校(平松正昭校長)は17日、和歌山市毛見の和歌山マリーナシティわかやま館で「和歌祭」の体験学習をした。国際交流科1年全員と普通科の参加希望者、和大付属中学校の希望者約50人が参加した。
 同校は、3年前から「ふるさと教育(和歌浦探訪)」に取り組んでおり、講座は日本文化体験講座の一環。今回は特別に紀州東照宮・和歌祭保存会の協力を得て、江戸時代から紀州の祭りとして地域に受け継がれてきた「和歌祭」の文化や歴史などを学習。映像と講義を通してお渡りで披露される芸技の一部を体験した。
 紀州東照宮の西川秀紀宮司は「郷土にこれだけの祭りがあることを誇りにしてほしい。日本の文化を知ってもらい、他国との交流を深めてほしい」と述べた。国際交流科の宮垣真里さん(15)は「すごくおもしろかった。すり金は思ったより重かった」と話し、和大付属中学3年の佐藤梨加さん(15)は「和歌祭はあまり行ったことがなかったけど、セミナーに参加して身近に触れ合えたのは貴重な経験になった」と満足そうだった。



【4月15日3面】
初日に和歌祭セミナー 和大紀州研26日から春の企画展
 和歌山大学紀州経済史文化史研究所は、26日から5月20日までの期間、春の企画展として、同大学図書館3階の同研究所で「紀州研所蔵の和歌の浦資料」を展示する。午前10時半から午後4時まで(金・土・日・祝日はのぞく)。また、初日にはオープニングイベントとして、和歌祭セミナーも同時開催する。午後3時半から6時まで。

 企画展には、今回初公開となる研究所所蔵の「和歌浦図屏風」を含む屏風や写真、竪紙など16点を展示。初公開される同屏風は、江戸時代前期に作成され、和歌浦の景観が描かれている。下部には紀州茶屋の祖で、当時の祭りを仕切っていた茶屋小四郎らしき人物も描かれているなど、見どころがある。ほかには和歌祭を描いた古文書「御用番留帳」「年中日記」など県指定文化財2点も展示する。
 和歌祭セミナーは、同研究所の米田頼司幹事が「和歌祭と唐船」について、県教育庁文化遺産課の蘇理剛志技師が「唐船の現状~御船歌の復活をめぐって~」について紹介する。
 また、和歌祭の行列の一つ「唐船」の引き手を学生ボランティアにも参加してもらおうと、募集も呼び掛ける。研究所学芸員の村旭輝さん、蘇理技師、県立自然博物館学芸員の揖善継さんの3人が中心となって、数十年前に途絶えたとされる和歌祭で歌われてきた「御船歌」を復活させる企画もある。これまで月2、3回、東照宮会館で御船歌の練習もしてきた。
 研究所学芸員の村さんは「景勝地として知られる和歌浦の理解を深めるきっかけになれば」と話している。





和歌祭保存会公式HP
 和歌祭は、江戸幕府を開いた徳川家康をまつる紀州東照宮の祭礼です。元和2年(1616)駿府城で亡くなった家康は、久能山に埋葬され、翌年日光山に改葬されました。元和5年(1619)駿府から和歌山に入国し紀州藩初代藩主となった家康の子・徳川頼宣は、入国直後の元和7年(1621)和歌浦に東照社(現在の紀州東照宮)を造営します。その翌年の4月17日(家康の命日)には春祭が行われ、初めての御輿渡御が行われました。この春祭が和歌祭と呼ばれるようになり、和歌山で行われる祭礼の中でも最も規模の大きいものとなりました。
 当初の和歌祭は、頼宣が好む風流な練り物が多く出され、全国的にも例を見ない風流尽くしの祭礼であったようです。しかし、家康の50回忌にあたる寛文5年(1665)を最後に練り物が縮小され、その様相は大きく変わりました。この和歌祭には、城下町に住む武士や町人のほか、和歌浦周辺の人々やさまざまな身分の人々も参加し、彼らによって祭りが支えられていました。
 その後、中断を繰り返しながらも伝え続けられ、昭和に入ってからは「商工祭」の一環として和歌山城周辺で開催されるようになります。平成14年(2002)からは商工祭から独立、元来の形に戻そうと地元和歌浦で開催されるようになったものです。