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f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
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f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
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2002年08月06日

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高さ二十センチの答弁書は私の“記念碑” あっせん利得処罰法改正案の成立
5_5.gif ■2002西博義

 七月末で、会期延長により百九十二日間に及んだ第百五十四通常国会が閉幕した。
 この国会は与野党を通じて「政治とカネ」をめぐる疑惑が続発し、国会審議がしばしば停滞するという異常な国会であった。
 一連の議員や秘書の不祥事を受けて、一月二十四日には与党「政治倫理の確立に関する協議会」が立ち上がり、私は公明党三人のメンバーの中心者として協議会に参加した。
 議論の中心は「あっせん利得処罰法」の処罰対象に、いわゆる私設秘書も加えるかどうかであった。
 この法律は、国会議員、地方議員、首長、公設秘書が依頼を受けて、公務員に対して、その権限を利用して「口利き」をし、見返りにお金やモノを受け取ったら処罰されるという内容である。
 しかし一方、政治家と公務員の接触を完全に閉じてしまうことは、政策の議論から始まって市民相談の処理まで、現場の声を行政に反映する行為まで制限することになるため、両者のバランスをいかに保つかが最大の問題であり、そのために多くの議論が重ねられてきた法律である。
 この法律に、国会議員の中でも、多い人で二十人以上も抱えているといわれる私設秘書を加えることにより、今年に入って次々と明らかになった私設秘書による「口利きビジネス」に法の網をかけるのがねらいである。
 十数回に及ぶ白熱した議論の未、四月二十五日にはようやく私設秘書を処罰対象に加えるというわが党の提案が受け入れられ、与党案として議員立法で国会に提出された。党の中心者として正直、肩の荷が下りる思いであった。その後、衆参両院の政治倫理特別委員会において野党案との間で合計八日間、十六時間余りにわたって、与野党による激しい質問の応酬が繰り返された。
 政府が提出する多くの法案は、大臣、副大臣や官僚が答弁するが、議員提案の法律の場合は、提案者である議員が答えなければならないのである。
 これが大変で、委員会前日の夕方に質問内容を把握して、夜中までスタッフと答弁の準備や答弁者の割り振りをし、宿舎に帰ってからも一人わびしく夜食のラーメンを作り、それを食べながら明日の答弁内容を頭に叩き込む。寝てからも、考えが浮かぶと起き出しては追加する。翌日は朝八時には七人の答弁者全員が国会内に集まって、直前の答弁チェックをし、委員会質疑に臨むという日々が続いた。
 それだけ準備をしても、予期しない質問が飛んできたりして、委員会の間は全く気が抜けない。特に対立法案を提出している野党の質問者は、どこかで答弁の矛盾を突こうと必死で、答弁者は皆、神経をすり減らした。
 七月十九日、ようやく参議院本会議を通過して「あっせん利得処罰法改正案」が成立したが、この間の答弁書類だけでも積み重ねると約二十センチの高さに達する。机の上のこの書類の束は、今国会における私の記念碑となった。


(2002西博義)
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