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2003年06月21日

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参議院決算委員会で質問 ODA問題に絞り指摘
5_5.gif ■2003世耕弘成

 六月十六日午後二時過ぎから、参議院決算委員会で約三十五分問の質問に立った。この日は平成十三年度決算審議の締めくくりの質疑の日で、決算重視の参議院の姿勢を明確にしようということで、全閣僚出席のもとNHKのテレビ中継も入っていた。
 この質疑で私はODA(政府開発援助)問題に絞って質疑を行った。国民はODAに関して日本が国際社会で活動していく上で必要不可欠であることは認識しているものの、無駄な事業が行われているのではないかとか、相手国の特権階級の利権につながっているのではないかといった不透明感を感じている。そして日本経済自体が景気低迷にあえいでいる中で、なぜ海外に援助をしなくてはならないのかという煮え切らない思いがある。このあたりを率直に総理や外務大臣にぶつけてみた。
 とくに大問題は、経済発展目覚ましい中国に対して今なお年間一千億円を超える援助を日本が行っているということである。中国に対しては過去二十余年かけて合計三兆円以上の援助を行ってきている。にもかかわらず中国首脳から日本の首脳に対して具体的な感謝の言葉を表明されたことはない。しかも中国国内では北京の空港ビルや地下鉄、SARS対策で活躍した中日友好病院が日本の経済援助で建てられたことについて、国民に対してほとんど周知されていない。
 またそういった基本インフラの整備は日本のお金にやらせておいて、核兵器の保有を続け、軍備の増強も推進している。また中国政府は経済発展目覚ましい沿岸部の整備に力を入れるばかりで、内陸部の貧困問題は放置している。このことがわが国への不法入国の増加、そして治安悪化へとつながっているのである。
 さらに無視できないのは、日本から援助を受けながら一方で他の発展途上国に対して中国が援助しているという事実である。推計では年間六百億円以上のお金が中国からASEAN諸国などへの援助に使われている。また中国はカンボジアなどに対して一千億円を超える巨額の債権放棄を約束したりしている。要するに日本のお金が間接的に中国の国際影響力強化に流用されているわけだ。
 このような中国への援助を一度ゼロベースで見直すべきだとの主張を小泉総理にぶつけたところ、多少慎重な言い回しではあったが、「中国がわが国の援助に対して感謝しているのか、あるいは必要としているのかよく見極めることが必要だ。国益を重視して、見直すべきは見直していきたい」との答弁が得られた。
 またIT関連のODAについては、もっと戦略性を持たせて、日本のIT技術の普及に資するような形で活用すべきだということも指摘しておいた。
 質疑後、私の事務所には中継を見ていた人々から私の指摘に賛同する大量のメールや電話が殺到した。いかに国民がODAの在り方や中国への経済援助にいら立ちを覚えていたかの証左であろう。対中間題を中心とするODAに関して私は単に国会質問に終わらせることなく、ODA基本法などの新たなルールづくりなどに取り組み、日本の国益につながるODAに改革をしていきたい。


(2003世耕弘成)
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