わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
f_ss_sakaguchi.jpg 阪口 直人
f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
サイト内を検索


5_5.gif
<<メイン>>
2005年03月01日

ganba_title.jpg
磯ノ浦を救え… どうすれば砂浜を取り戻せるか
5_5.gif ■2005谷本龍哉

 小学校の頃、 北島橋のすぐ近く、 和歌山市福島に住んでいた。 いわゆる 「川北 (紀の川の北側)」 が生活圏だったので、 夏休みは和歌浦の海岸ではなく、 「磯ノ浦海水浴場」 に行くことが多かった。 磯ノ浦の海で父親から泳ぎを教わり、 おかげで小学校のプールで一キロメートルの遠泳に成功した二人目の生徒になれた。
 もう三十年近く前の記憶ではあるが、 当時の 「磯ノ浦」 は子どもの私にとっては、 とても楽しい場所であり、 その砂浜は他の海に比べて広く大きく拡がっていたように覚えている。 幼少時代を和歌山で過ごした人なら、 「磯ノ浦」 に何らかの思い出を持っている人が多いのではないだろうか。
 また最近では、 「磯ノ浦」 はサーフィンのメッカとして全国にその名を知られている。 一年間を通して、 関西中のサーファーが波を求めて、 この砂浜にやってくる。
 このサーフィンと夏の海水浴客を合わせると、 「磯ノ浦」 には年間80万人近くの人が訪れる。 観光立県を目指す和歌山にとっては、 貴重な観光資源の一つと言えるだろう。
この 「磯ノ浦」 が、 実は今、 「危機」 にひんしている。
 昨年の度重なる台風の襲来で、 砂浜表面の砂が、 厚さ一メートル分ごっそりと削り取られてしまったのである。 さらに、 流されてきたのか、 元々埋まっていたのか、 たくさんの小石が砂浜の表面を覆い、 もはや 「砂浜」 とは呼べない状態になっている。
 サーフィン連盟の友人から話を聞き、 直接見に行ったのだが、 あまりのひどさに驚いた。 サーフィン側の砂浜は 「砂利浜」 としか言いようがないくらいたくさんの小石に覆われ、 海水浴場側も小石が散乱し、 とても現状のままでは使えない状態である。
 何とか砂を入れて元通りにできないかと思い、 行政にも相談した。 砂を買って入れるとなると 「磯ノ浦」 の規模だと数億円かかる。 しかし県にも市にも予算がない。 国のほうでも調べたが、 海岸に砂を入れるだけという事業そのものがない。 お金をかけるという意味では、 全く行き詰まってしまった。
 しかし、 この話を和歌山の若い人たちにしたところ、 こんな答えが返ってきた。 「みんなで磯ノ浦に行って、 石を拾いましょう。」
 確かに、 残された方法はもうそれだけしかないかもしれない。 簡単に 「拾う」 といえる量ではないが、 何もしないよりはマシである。 できるだけたくさんの知り合いに声をかけて、 力を合わせれば、 少しは砂浜を取り戻せるかもしれない。 そう考え始めた。
  「磯ノ浦」 に思い出のある人もない人も、 ぜひ一度、 現状の 「磯ノ浦」 を見に行っていただきたい。 「磯ノ浦」 をこのまま放置するかどうかは、 ふるさとを想う心の問題だと、 私は感じている。


(2005谷本龍哉)
5_5.gif


5_5.gif

この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio