わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
f_ss_sakaguchi.jpg 阪口 直人
f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
サイト内を検索


5_5.gif
<<メイン>>
2005年07月05日

ganba_title.jpg
クール・ビズ考 夏の正装を決めるべきでは
5_5.gif ■2005谷本龍哉

 この夏、 国会がある永田町では、 例年では見られない不思議な光景が出現している。 スーツ姿でネクタイをしていない、 いかにもだらしなさそうな格好の人間や、 派手なカラーシャツを着た少し強面(こわもて)の人間や、 沖縄の 「かりゆし」 を着たかなりリゾート気分の人間が、 たくさん歩き回っているのである。 彼らはもちろん、 「永田町の住人」 である国会議員とお役所の方々である。 そして原因は、 「クール・ビズ」 なる言葉が生まれたためである。
  「クール・ビズ」 の説明を環境省のホームページで見ると、 「温室効果ガス削減のために、 夏のエアコンの温度設定を二八度に。 そんなオフィスで快適に過ごすために、 環境省は夏のノーネクタイ・ノー上着ファッションを提唱しました。 その名称を公募、 決定したのが 『COOL BIZ』 です」 と書かれている。 日本のすべての事業所において、 夏の冷房の設定温度を二八度にすると、 ひと夏で約百六十~二百九十万トンの二酸化炭素の削減になるそうである。
 確かに、 ワイシャツにスーツにネクタイというスタイルはヨーロッパのように寒い地域に適した礼装であり、 日本の夏には適さない。 環境対策という意味だけでなく、 仕事の効率性や体調維持を考えても、 涼しい格好で過ごすということに利点が多いのは事実である。 特に私のように暑がりで汗かきの人間にとっては、 軽装で仕事をしてもいいというのは、 心の底からありがたいことである。
 しかし、 現行の 「クール・ビズ」 には、 いくつかの問題点がある。 まず一つ目は、 みんな軽装に慣れていないのでとても見苦しくなってしまうということである。 普通のスーツ姿からネクタイだけ取ったという格好が一番多いのだが、 やはりこれは見苦しい。 しかし、 急にネクタイなしの軽装といわれても、 それに適した服をみんな持っていないのだから仕方がない。 二つ目は、 本会議場や正式な会合には、 「クール・ビズ」 では入れないという点である。 本会議場は今でもネクタイ、 上着着用でないと入場禁止である。 こうなると、 「クール・ビズ」 を着ながら、 ネクタイと上着を持ち歩いたり、 もう一着スーツを持ち歩いたりと、 余計に面倒なことになる。 三つ目は、 国会や党本部などを警護している衛視さんたちの気苦労が増えるということである。 スーツを着て議員バッジをしていると、 顔をはっきり覚えていなくてもだいたい議員かどうか判別できるが、 みんなが軽装だとそれが難しい。 議員会館に入ろうとして入り口で止められたり、 自民党本部に入ろうとして止められて憤慨したり、 ショックを受けていた同僚議員がいたが、 衛視さんたちの身になってみれば、 不審者を通すわけにはいかず、 議員を不審者と間違えるわけにもいかず、 かなり大変だと思う。
 結論としては、 「クール・ビズ」 = 「夏の軽装」 ではなく、 沖縄の 「かりゆし」 や東南アジアや中南米で着用されている開襟シャツのように、 「夏の正装」 を正式に決めて、 その格好であればどんな正式な場でも許されるという共通認識を作るべきではないだろうか。 夏にスーツを着なくてもいいということについては、 大賛成なので。


(2005谷本龍哉)
5_5.gif


5_5.gif

この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio