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2007年03月28日

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おいしく食べ、話せる喜びの原点 政策誘導必要な高齢者の歯科診療
5_5.gif ■2007鶴保庸介

 歯科医師会がいよいよ再始動である。 世間を騒がせた不祥事以来、 ややもすると歯科診療に関する歯科医師会の主張には気迫が感じられなかったところであるが、 最近になって、 党内でもプロジェクトチームを立ち上げ、 その幹事の1人となった私も頻繁に会合を持つようになっている。
 ご存知の方もいると思うが、 歯というのは食べられる喜び、 話せる喜びの原点であると同時に、 口腔内疾患の治療が健康維持にもっとも重要であるという研究がだんだんと進んでいる。 しかしながら、 70歳以降の後期高齢者と呼ばれるお年寄りが歯医者さんに通って歯を治している光景は、 これまでのところ一般的であるとはいえない。
 自分の寿命を勘案すると、 歯を治すのは 「後回し」 にしようというのである。
 しかし、 厚生労働省は以前から健康寿命という考え方を浸透させようと努力してきた。
 死ぬまで元気でバリバリと。 自らの足で棺おけに入ろう。 などと称して、 活動的に生きていることこそ重要で、 単なる延命が個人の幸せにつながるものではないという考え方である。
 医療費削減の問題と重なって、 この考え方はいまやすべての厚生行政に通じる考え方になっているが、 その考え方にたつとまさにこの歯科医療の現状は憂慮すべきものであるといわざるを得ない。
 ひとつの写真がある。 これまで入れ歯すら入れることなく硬いものはほとんど口にせず、 十数年を過ごしてきたお年寄りに、 歯科のチームが本人の同意を得て差し歯を作った。
 長い間歯のない生活を過ごしてきたそのお年よりに合う歯を施療することはとても苦労したらしいが、 施療前と施療後では明らかに表情が違うのである。
 明るくなったと断言してもいい。
 人前で笑う、 話す、 食べる…すべてにおいて積極的になっている。
 歯科の診療にとって必要なのはこのような実態のアピールである。
 歯科診療はこれまでのところ診療報酬の改定のたびに医療費削減の風の中、 苦しい結果を迫られてきたが、 口腔ケアが全身の健康維持のために必要なことを考えると、 予防医療としての役割を堅持できるような最低限の施策は必要であろう。
 たとえば、 出張診療や介護保険を使った高齢者に対する口腔ケアなどである。
 ぽっくりと死ねたらいいな、 今日じゃなく。
 という川柳があるが、 みな国民の望んでいることは同じではなかろうか。
 政治の政策誘導が必要な分野である。


(2007鶴保庸介)
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