わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
f_ss_sakaguchi.jpg 阪口 直人
f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
サイト内を検索


5_5.gif
<<メイン>>
2002年09月03日

ganba_title.jpg
関空全体構想と首都移転 国策なければ語るべき夢はない
5_5.gif ■2002石田真敏

 去る七月二十二日、衆議院決算行政監視委員会で、初めての質問を行いました。質問と答弁を合せて三十分の持ち時間で、関西国際空港と国会などの移転という、もう既に長く長く議論されてきたテーマですが、あえて質問いたしました。
 といいますのも、これらの問題は、和歌山にとっても、関西にとっても非常に重要な問題でありながら、どうも最近は原点が忘れられ、逆風の中にあるように思えたからです。
 まず、関西空港建設の原点の一つは伊丹空港の騒音問題でした。当時、住民も議会も空港反対ムード一色でした。またもう一点は、国際化の進展の中で、どうしても二十四時間運用可能な国際ハブ空港が必要とされたことでした。
 これらの状況を打開するために、当時の航空審議会答申では、伊丹空港の廃止を前提とし、かつ航空騒音に配慮して、工費は高いが海上空港が望ましいとされ、関西空港が建設されたのです。すなわち、当初から工費は高くつくという前提で建設されたのです。
 しかし現在、このような建設の原点を忘れ採算性から関西空港の全体構想空港に疑問符が投げかけられているのです。
 また、国会等の移転の原点は、東京一極集中の排除、多極分散型国土の形成、大規模災害に対する脆弱化の克服、そして世界都市としての東京の整備であると平成四年に施行された国会等の移転に関する法律の前文に書かれています。
 そして、いまだにこれらの課題は、悪化こそすれ改善されていないにもかかわらず、この移転問題も実現が危ぶまれる状況にあります。
 東京に政治、経済、文化そして情報の機能が集中するシステム、すなわち中央統制を強めた昭和十六年体制を現状のままにしておけば、一層都会では過密による不満が充満し、大阪をはじめとする地方では衰退や過疎による将来への不安が高まり、いつまでたっても二十一世紀に明るい展望を抱けないのです。
 東京への集中を排除し、大規模災害時にも中枢機能を失わず、なおかつ政治家や官僚が東京の外から、東京を中心にではなく日本全体を考えることになる国会等の移転こそが大改革の大きなきっかけになると思います。
 しかし、今日の日本では、財政状況からも無駄を省くことは当然としても、何につけても経済性、効率性が異常なほど叫ばれるばかりで、十年先、あるいは二十年先を見越した日本をつくるための国策ともいうべき国土計画が見当たりません。大きな計画のないところに語るべき目標とか夢はありません。誠に寂しい限りです。
 次の世代、あるいは次の次の世代のために時間をかけ、お金をかけてでもやらなければならないことはあるはずだと思います。将来に大きな禍根を残さないように、あるべき姿に向かって着実に進めてゆくべきだとの思いを込めて質問した次第です。


(2002石田真敏)
5_5.gif


5_5.gif

この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio