わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
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f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
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2004年11月09日

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夢と目標に満ちた漁業を 自民党水産部会長として全力で
5_5.gif ■2004鶴保庸介

 鯨を食べる会という集まりがある。 商業捕鯨再開に向け、 日本の鯨文化を広めようと全国の有名捕鯨地域から多くの有志が集まって不定期に国会周辺で催される試食会である。 地元県内漁協の皆さんも多く上京してくださって、 殺伐とした国会生活のなかでひそかに楽しみにしている。 鯨肉をほおばりながらこのときばかりは大いに盛り上がる (といっても申し訳ないほどの会費しかとってくれないので、 人目につかないように二切れ三切れをなんども口にしているのだが) が、 繰り返しの国際会議ではあいも変わらず捕鯨禁止。 最近はこうした催しも元気を失ってきた。
 一方、 鰯が減っているらしい。 水産庁によると日本海に生息するマイワシについては禁猟寸前の状態にまで激減しているという。 その原因はよくわかっていないが、 お決まりの乱獲説から、 環境要因で減ったとする説、 鯨が増えて食べている (もっと鯨を食べる会を頻繁に開催してほしい!) という説などさまざまなことが言われている。 大体約二十年から四十年までの周期で増えたり減ったりしているらしいが、 近年の最盛期から比べると百分の一にまでなっているというから見過ごせない。 幸いわが和歌山県の面する太平洋側にはマイワシの警告は出ていないが、 他魚種でもほうっておけない問題が山積している。
 和歌山県の特産と言えば、 果物など農産物のほかに鮎を上げる人も多いだろう。 案外知られていないが、 鵜飼で有名な岐阜県に稚魚を 「輸出」 しているほどなのである。 鮎も稚魚から育てるのには時間と手間がかかる。 環境、 とくにえさとなる藻がつく川床には左右されるため、 渓流の石には心無い観光客が持って帰らないように一つ一つに番号を振っているところもあるそうだ。 その手間暇を考えたら気の遠くなるような作業ではないかと感心したが、 そうして苦労して作った川床も山が荒れ、 ちょっとした雨水で 「死の川」 になることが多くなったという。
 私たちに身近なコンビニのおにぎり。 これに巻きついているのりがどこで作られているかを正確に把握している人は少ない。 なぜなら農産物に原産地表示の義務はあるが、 海産物、 とくに調製品については原産地の表示の義務はないというのである。 案の定、 中国の日本向けのりの生産が増えている。 かの国ではのりを食べる習慣は現在のところほとんどないというが、 日本の企業がノウハウを持ち込んで日本のものと遜色ない生産をしているという。 そういえば韓国のりを食べることはあっても日本ののりと少し違うよな。 で、 こののりが対中輸入制限見直しの中で大きな摩擦の種になっているのである。
 国土交通省の政務官として多くの方々にご厄介になって二年。 九月いっぱいでお役をとかれ、 今度は自民党の水産部会長に就任することになった。 まだまだ勉強途上であるが、 少しの間でもさまざまな問題が入ってくる。 後継者に悩む漁業が夢と目標に満ちたものに変わりうるよう全力でがんばりたい。 観光に結びつけた漁業ややる気のある漁業者が生き生きと取り組める仕組みをどうつくるか。 絶滅危惧種はどれか、 漁業者はどういう暮らしを強いられているのかなど漁業の実情がもっと広く社会に流布されるような情報発信も重要であろう。
 さあ、 これからは水産もやるぞ。


(2004鶴保庸介)
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