■2006鶴保庸介
新年早々ライブドアショックで波乱含みの年明けです。
特に昨今、 痛ましい事件が連続して起こっていますが、 以前は都会に特有のものであるといわれてきました。
自然あふれる地方に健やかに育った子弟に精神が病むことはありえない、 などという迷信は過去のものになりつつあります。
人材の都市偏在、 それに伴う 「あきらめ」 が経済の停滞を生み、 ますます人口、 人材の偏在が進む、 という負のスパイラルにおちいっているように思われます。
「地方が狂えば日本は無傷でいられない」 とは月並みですが、 まさにこのことが現実のものに、 しかもきわめて深刻な 「内面からの崩壊」 が始まったといえば大げさでしょうか。
しかるに現状の政治ができることは限られています。
高齢者、 外国人雇用、 少子化など、 国、 地方が共有する問題もありますが、 地方再生の為にはこれらへの対策だけで十分ではありません。
そろそろ東京圏域の開発ゾーン抑制、 人口流入制限をしなければならないかもしれません。 大胆な地方分権、 道州制に類されるほどの主権を付与するぐらいの改革をしないとこの国の地方と都市の問題は永遠に解決しないでしょう。
多様な価値観が混在する今、 大きな国が画一的に統治していくことには無理があります。 地方がきめ細かなサービスを独自の責任において行使できる方法をとっていくため、 これこそがぜひともやらねばならない改革の本丸です。
目標が定まったら、 一歩を踏み出すことが大切です。
ニート問題に擬せられるように、 社会全体が、 「自分探しのわな」 に陥って、 何とか 「勝ち組」 になる為に百も理屈を並べているように思います。 その意味では理屈抜きに一歩を踏み出そうとした小泉改革は評価されました(余りに目標がなさすぎますが)。
そもそも理屈を並べること自体が意味をなさない時代なのです。 混迷の時代―かつてない少子高齢化、 それによる労働力不足(?)、 地球温暖化、 各国のナショナリズムの進行、 などの時代背景の中で、 誰がしっかりした未来を予測することができましょうか。
「こうすれば、 ああなる」 中短期のしっかりした計画は必要ですが、 三十年、 五十年先のことなど誰も予測できないのです。 その前で躊躇することなどあってはなりません。
混迷ここに極まれりといった態の政治。 仁義なき戦いの場に身を置く私にとっても自戒をこめて、 王道をいく一年にしたいと思っております。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
(2006鶴保庸介)
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