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2007年12月04日

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地デジで貧乏くじひかぬよう 国が責任を持って難視聴区域解消を
5_5.gif ■2007世耕弘成

 去る10月23日に参議院総務委員会で質問に立った。 総務委員長、 首相補佐官と国会の委員会で質問できないポジションにいたため2年ぶりの質問で少々緊張した。
 質問は地上波デジタル放送の難視聴対策を中心に行った。 実はこの問題は和歌山にとって深刻な課題となっている。 地上波デジタル放送は2003年12月から本格導入を始め、 2011年には全国展開を完了した上で現行のアナログ放送用電波を停波することになっている。
 地上波デジタル放送が導入されると一般放送がハイビジョン化されたり、 1つの放送局が3チャンネルに分割した放送を行うことができたり、 携帯電話でも受信できる 「ワンセグ」 放送が可能になるなど、 日本のテレビ放送を大きく進歩させることになる。 さらに、 アナログ放送よりも電波の使用効率がよいため、 空いた周波数を次世代携帯電話などで活用することができるようになる。 また、 デジタル放送対応の薄型テレビやデジタルレコーダーは日本の景気の強力な牽引役となっている。
 このようにいいことずくめのような地上波デジタル放送だが、 当然のことながら難視聴区域が発生する。 アナログ放送でも難視聴区域は多数存在したが、 デジタル放送では電波の直進性等のデジタル波の特性により難視聴区域が増えるといわれている。 先日総務省が発表した放送デジタル化のロードマップによれば、 2011年のアナログ停波時点で全国的には約0・5%の世帯が視聴できないとの推計が出ている。 このロードマップを地域別に見ると和歌山県の状況が全国で一番深刻で、 約4%の家庭がデジタル放送の視聴が困難な地域になると予想されている。 これはひとえに和歌山の地形の問題で、 半島地域の地理的条件の悪さがこういう面でも出ているわけである。 難視聴問題を技術的に解決する方法がいくつかある。 インターネット用の光ファイバーに放送を乗せて各家庭まで伝送する方法、 ケーブルテレビをデジタル化する方法、 現行の共聴施設をデジタル化する方法、 ギャップフィラーという小型中継局を配置する方法、 人工衛星から電波を届ける方法などが想定される。 しかし、 いずれの方法も一定の費用がかかることになる。
 私が総務委員会での質疑で特に強調したのは、 「この費用を地方に住む住民や自治体に負担させないこと」 である。 地上波放送のデジタル化は国策として決定したことであるのだから、 アナログ放送と同じ環境でテレビを視聴することができるよう、 国が責任を持って取り組むべきである。 特に総務省は放送を管轄する局を持つと同時に、 地方財政を管轄する局も持っているのだから、 省を挙げてデジタル化関連の地方向け財政支援にも取り組むべきである。 そして内閣として 「デジタル化後もすべての国民が今まで通りテレビを見ることができるように政府が責任を持つ」 との閣議決定を行い、 不安を抱いている地方の住民を安心させるべきだと考えている。
 これらの問題意識を増田総務大臣にぶつけ、 積極的かつ前向きな答弁を得た。 これからも地上波放送デジタル化で地方が貧乏くじをひくことがないように、 しっかりと目を光らせていきたい。


(2007世耕弘成)
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