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2008年07月15日

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原油高騰、温暖化等待ったなし サミットのメッセージは諸外国に大きな影響
5_5.gif ■2008大江康弘

 洞爺湖でのサミットが終わった。 この先進国首脳会議(G8)だが、 今回の主要テーマは「気候変動・温暖化対策」「食料危機アフリカ・支援」「原油高騰・エネルギー対策」の3項目である。 特に世界中で頻発している異常気象による自然災害は、 食料問題やエネルギー問題に直接リンクしているだけに、 どこまで踏み込んだ議論が交わされるのかが注目された。 この一考察が紙面に載る頃には既にサミットは終わっているので、 どれだけの成果が出たのであるかが分かるだろう。
 さて、 サミットは1975年のオイルショックを契機として、 工業化された主要民主主義国の首脳が集まり、 G6からスタートした。 その後、 カナダ、 そしてロシアが参加して現在のG8となった。 つまり民主主義国家であることが参加国の条件であることから、 急速な経済成長を続ける中国が参加することは有り得ないことになる。 G8で扱われる課題は、 議論のある国際的な問題であることから、 その存在は非公式な 「世界政府」 であり、 サミットに参加していない第三世界まで決定事項を押し付けているのでは、 という批判がしばしば指摘されているのも事実である。 いわゆるG8の会議で出された結論である 「決議」 「決定」 「宣言」 というものは、 国際法上では何らの法的な根拠を有しない単なる 「仲間内の取り決め」 以外の何ものでもないのである。 そこが 「制裁権」 を有する 「国際連合」 との違いであろう。
 しかし、 最近の国連が、 その設立の趣意である 「平和と安全の維持」 「人権の保護」 という二本柱であり、 その目的を達成するために諸国の調整をすることとなっているが、 この崇高な目的を果たしているのか疑問も多い。 特に国連からの過度の干渉を嫌う各国の思惑に配慮し過ぎだという指摘もあり、 機能不全に陥っているという声も多く聞かれるのである。 財政面においても、 加盟国の分担金に依存しているのだが、 アメリカは数億ドルを滞納しているにもかかわらず、 約20%もの高額な負担を遅滞することなく続けている日本は、 いまだ常任理事国にすら推挙されず、 いわんや戦後60数年を経過した今においても、 「敵国条項」 から削除さえしてもらえないのである。 こうした国連の存在価値が時代の趨勢に合わなくなりつつあると考えるのは、 私だけではないと思う。 だからこそ、 議長国がG8以外のメンバーを招待するサミットの重要性が増している。
  「原油の高騰、 温暖化による地球環境の変化、 食糧自給率の低下、 紛争と飢餓」 等々世界共通の課題は待ったなしの状況であり、 この危機感を世界中が共有しなくてはならないことはいうまでもない。 国連に代わって 「サミット」 の重要性は増すであろうし、 「サミット」 での合意は半ば強制力を伴う国際的なメッセージとして諸外国に大きな影響を与えることになるであろう。
 そして今一つは 「アフリカ支援」 である。 先月行われた横浜での 「TICAD4」 (アフリカ開発会議) に参加し、 多くのアフリカ各国首脳と知遇を得ることが出来た。 そして彼らは 「洞爺湖サミット」 に参加すべく再び来日している。 短期間に二度も親交を温める機会を得たことは無上の喜びであり、 昨日もセネガルとガーナの大統領と意見交換をした。 アフリカ諸国の持つポテンシャルは無限であり、 地下資源などには先進国の熱い視線が送られる一方で、 食糧問題、 森林伐採、 民族間紛争、 飢餓問題など負の課題も山積している。 遅ればせながら日本も2005年からアフリカ支援に積極的に動き出したが、 今回の横浜会議によって、 一層具体的な支援策が決定したことは素晴らしいことだ。 そして来月にはアフリカ諸国の招きを受け、 視察に行くことになっており、 自分の目でしっかりとアフリカの現状を検証し、 今成すべき課題を見据え、 今後の活動に生かしていきたいと思う。
 私自身は福田総理に対し悪い印象を持っていないばかりか、 むしろ好意的かも知れない。 サミット花道論が、 メディアはもとより政府与党内からも聞こえてくる。 政権与党のトップとして、 どれほどの気苦労と孤独があるのか計り知れないが、 「洞爺湖サミット」 では、 思い切った発言をしてほしいと願った一人として、 歴史に残る 「洞爺湖サミット」 を仕切った名議長として後世に語り継がれることを祈りたいものだ。


(2008大江康弘)
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