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2008年12月09日

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誤解を鵜呑みにしないで道路特定財源が一般財源化へ
5_5.gif ■2008鶴保庸介

 道路特定財源がいよいよ一般化される。 ただ、 連日のように報道されている議論を聞いていると、 この問題には大きな誤解があることがわかる。
 まずひとつは一般財源化に反対しているといわれるタクシーやトラックなど運輸業界への誤解。 もうひとつは一般化すれば地方自治体が潤うという誤解である。 運輸業界からは、 道路特定財源の原資となるガソリン税のほか軽油引取税などを多く支払わされているのだから、 これは一般財源化するなら撤廃もしくは軽減すべきだという声が上がっている。 しかし、 これは国民から見ると私たちだって払っているのだから同じこと。 いや業務として大量にガソリンをつかっているので一般国民より多く税金を支払っているのだから一般財源化するのだったらその分何らかの形で還元してもらわないと困ると業界…。 どちらもそれなりに理屈がある。 しかしここで現実には国民の知らない事実がある。 それは業界のこの税金はやがて業界の価格に転嫁され、 国民が結局は支払っているのだという誤解である。 しかし、 現実にはそうはなっていない。 トラックやバスの料金は燃油が高騰しようが、 税金が上がろうが、 ほとんど値上げは見込めない、 という。 荷主やユーザーの要求がきついためであるが、 消費者物価に敏感な国民が多い昨今、 国民の多くも業界の主張に耳を傾けざるを得ないのではないだろうか。
 もうひとつは特定財源を一般財源化して、 交付税として配分すれば、 地域の実情に応じてもっと政策的に必要な分野に重点的に資金を投入することができるはずで、 国民生活のためになる。 無駄な道路を建設するくらいなら、 よっぽど景気対策にもなるはずだという誤解である。 今まさにKY首相といわれてバッシングを受けている総理が主張しているのはこの点であるが、 道路特定財源を地方自治体が自由に使えるように配れば何に真っ先に使うことになるか。 多くの自治体では先の債務の返済に使うというのが大半である、 というのである。 これでは景気浮揚効果はおろか、 国民生活の向上につながらない。 何でこれまでにそんなに借金したの、 と首を傾げたくなるが、 これを今さら恨んでもみても始まらない。 そこで与党内では公共事業に使える新しい交付金制度を創設する方向で検討に入っている。 しかし、 先に言ったように、 この自治体の状況に誤解があるため、 結局自治体の要求のまま、 事業予算とは別枠の予算を国が用意する羽目になりそうである。 いずれにせよ、 この国の状況が危機的であることは言うまでもない。 しかし本当に危機的なのはこうした誤解を鵜呑みにしてしまう国民の状況である。 先日、 みのもんたが 「天下り法人へ12兆円の補助金が流れている。 この一部でも…」 と報道していたが、 何度も言うように、 これほど明白な論点はなく、 天下り法人への補助金は私学助成もあれば、 法人の運営資金もある。 ほとんどが公的な機関として営利を目的としていないため国民の目には 「無駄な仕事」 をしているようにしか見えない。 だからやめてしまえというのは少々乱暴な議論である。
 わが県は反骨精神、 批判的精神あふれる県民性だという。 常にわが頭で考え、 わが心で感じてほしい。 私のこの稿もしかりである。


(2008鶴保庸介)
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